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エクセレンス 【ハンガリー】

エクセレンス
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ハンガリーは貴腐ワインが有名でそれらに関連する出題も予想されますが、その他の産地についても抑えておく必要があります。

2020年のフォローアップセミナーでは
「バダチョニ」「ショプロン」「エゲル」「ヴィッラーニ」「トカイ」
が解説され、実際試験にも出題されました。ひとまずこの5産地をしっかりと覚えていけばよいかと思います。

原語対策としては、難しい発音、アクセント記号があるので、書き込み練習で対応してください。

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ワインの概要

特徴

首都は「ドナウの真珠」と呼ばれるブダペスト。

北はタトラ山脈に守られ、南からは地中海の温暖な空気が入り込み、穏やかな気候である。国の中央にはドナウ川が流れる。

歴史

  • 1,000年にキリスト教に改宗し、ベネディクト派の宣教師により商業的革新がもたらされ、ワイン生産、ぶどう畑拡大に貢献した。
  • トカイワインはルイ14世が「王のワインであり、ワインの王である」と称した。歴史上1550年代の資料も残っている。
  • 1836年OMGE(Hungarian National Farming Association)が設立され、馬のブリーディングとワイン生産が最重要産業とされた。
  • フィロキセラ被害の影響が大きく、400~500万h㍑から80万h㍑まで減少した。
  • ソビエト支配下ではワイン市場、インフラが潰されてしたまった。政策の失敗により40000haの歴史的な畑が消滅した。
  • 1989年に共和国へ体制転換したあと、フランス資本によりワイン産業の近代化が進み、品質が飛躍的に向上した。

地理的条件

地図

 

気候

大陸性気候

主要ブドウ品種

 

ハンガリーの主要ブドウ品種
No 白ブドウ 黒ブドウ
1 ビアンカ ケークフランコシュ
2 チェルセギ・フューセレッシュ カベルネ・ソーヴィニョン
3 オラスリズリング メルロ
4 フルミント ツヴァイゲルト
5 シャルドネ カベルネフラン

ハンガリーのワイン法

分類

2011年よりEU則に則り、PDOPGIに分類されるようになりました。

FN:地理的表示なしワイン

OFJ:地理的表示保護ワイン

OEM:原産地呼称保護ワイン
(lotalom alatt álló eredetmegjelölés)

主要ワイン産地

バラトン地方

Badacsony重要

【特徴】

ブダペストから南西に約170㎞。ブドウ栽培は2000年前の時点で盛んであった。

【気候】

大陸性気候/地中海性気候

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : ケーク、ニェリュ、ラインリズリング、ブダイ・ゾルド、ボルカーヌス、ゼウス、スルケバラート、オラスリズリング

Nagy-Somlo

【特徴】

ショムロー丘陵は標高432mの火山性ビュート植樹は350mの行動に達する。

【歴史】

1135年からワイン造りの記録がある。1570年の記録では121のワイン生産者がオスマン占領軍に丘陵税を支払っていた。1629年に最初のワイン法が造られた。

【気候】

日照時間1950-2000時間。平均気温9.8℃。

【土壌】

丘陵➡粘土泥炭度、砂岩、玄武岩、凝灰岩、麓➡砂質、粘土質土壌、黄土

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : ブルミント、ユファルク、オラスリズリング、シャールフェヘール

Balatonfured-Csopak

【特徴】

ローマに支配される前からブドウ栽培は盛んであった。

【気候】

大陸性気候

【土壌】

変性フィライト、砂岩、石灰質泥炭土、白雲石

【Alc】

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : オラスリズリング、ラインリズリング、リズリング・スイルヴァーニ、トラミニ、マスカット・オットネル、ソーヴィニヨンブラン、シャルドネ

<黒ブドウ> : カベルネフラン、ツヴァイゲルト、メルロ、ピノノワール

Zala

【特徴】

バラトン湖西部。国内ワインの最大供給地であったが、フィロキセラ被害以降衰退した。

【気候】

比較的涼しく穏やか。

【土壌】

砂質、粘土質沈殿物

【Alc】

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : オラスリズリング、リズリング・スイルヴァーニ、ドルド・ヴェルトリーニ、シャルドネ

<黒ブドウ> : ツヴァイゲルト

Balatonboglar

【特徴】

バラトン湖南岸。共産主義時代にバラトンボグラールワイナリー(バラトンボグラール・ボラーサット、略してBB)が1980年代まで国有組織が管理統括していた。

【気候】

日照時間1950-2000時間、7月の平均気温20-21℃。

【土壌】

砂質粘土質が中心。丘陵部分➡黄土、ローム、森林土壌

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : キライレアニカ、ラインリズリング、シャルドネ、ケークフランコシュ、

<黒ブドウ> : カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ

Balaton-Felvidek

【特徴】

バラトン湖北岸。ワイン作りは2000年の歴史がある。

【気候】

日照量豊富で穏やかな大陸性気候と地中海性気候

【土壌】

石灰岩、白雲石、泥炭土、白亜

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : オラスリズリング、ソーヴィニヨンブラン、シャルドネ、チェルセギ・フューセレッシュ

<黒ブドウ> : ピノノワール、ケークフランコシュ

ドナウ地方

【特徴】

ボドログ川とティサ川の行流する地点にトカイ山がある。ハンガリー最大のワイン産地。

【地元料理】

Csongrad

【特徴】

【気候】

極端な大陸性気候

【土壌】

石灰岩を含まない沖積土と酸性砂

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : ケークフランコシュ、ラインリズリング、クーヴィディンカ、ツヴァイゲルト

Hajós-Baja

【特徴】

ドナウ川とティサ川に挟まれた黄土の少ない台地。ヨーロッパ最大の連結したセラー地区。

【気候】

とても乾燥。夏冬はとても過酷

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : ラインリースリング、シャルドネ

<黒ブドウ> : カダルカ、ケークフランコシュ、チェルセギ・フューセレッシュ、ツヴァイゲルト

Kunsag

【気候】

極端な大陸性気候

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : エゼルヨ―、クーヴィディンカ、アラニ・シャールフェヘール、オラスリズヒング

<黒ブドウ> : カダルカ、ケークフランコシュ

北ハンガリー地方

Eger重要

【特徴】

エグリ・ヴィ化ヴェールに代表されるワインで有名な町。ワインセラーの大部分は、街の南部の流紋岩、凝灰岩の岩盤をくりぬいて何十キロとつながる地下通路網にある。

【歴史】

ブドウ栽培は1010年には経済的レベルに達する。

11世紀後半ワロン人によりブドウ栽培に弾みがつく。

イタリア、フランスの影響を受け木樽とセラーを使用するようになる。16世紀後半までに地下セラーが作られ、現在も使用されている。19世紀後半土壌侵食、フィロキセラ被害により9割以上のブドウに被害を受ける。

そのあと20世への移行期にエグリ・ビガヴェールが登場し、世界的に高評価を受ける。ビカヴェールはナジ・ブルグンディ、ケークオポルト、ツヴァイゲルト、カベルネ、メルロなどがブレンドされている。

【気候】

ビュック山脈の南西の山麓地帯に広がる。年間平均気温は低く冷涼なエリアである。

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : キライレアニカ、オラスリズリング、ケークフランコシュ

<黒ブドウ> : ピノノワール、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、メルロ、シラー

Matra

【特徴】

マートラ山脈南側。

【特徴】

13世紀の憲章には、この地域ブドウ園に関する記載あり。

【気候】

マートラ山脈の南側なので北風から守られる。

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : リズリング・スイルヴァーニ、オラスリースリング、マスカット、スルケバラート

<黒ブドウ> : ケークフランコシュ、ツヴァイゲルト、カベルネソーヴィニヨン

Bukk

【特徴】

ビュック山脈の南側

【気候】

ビュック山脈の南南西の斜面で北風から守られている。

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : シャルドネ、オラスリズリング、レアニカ、

<黒ブドウ> : ケークフランコシュ、チェルセギ・フューセレッシュ、トゥラーン

北パンノニア地方

Sopron重要

【特徴】

ハンガリーの北西端、オーストリアと接する。13,14世紀にオーストリアからの入植者がワイン作りの技術を持ち込んだ。フィロキセラ被害で最米面積は大きく減少した。

【気候】

穏やかな大陸性気候

【土壌】

石灰岩、頁岩、砂岩、スレート

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : ケークフランコシュ、メルロ、ツヴァイゲルト、レアニカ、イルシャイ・オリヴェール、ドルド・ヴェルトリーニ

Etyek-Buda

【特徴】

比較的新しいワイン産地

【気候】

年間平均気温は全国平均より低い。風が強い。

【土壌】

白雲石、石灰岩

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : シャルドネ、オラスリズリング、ラインリズリング、ソーヴィニヨンブラン

Mór

【特徴】

16世紀のオスマントルコ侵略でブドウ栽培は止まってしまう。18世紀にドイツからの入植者により復活。遅摘み甘口ワインで有名になった。砂質黄土によりフィロキセラ被害は軽微で済んだ。

【気候】

涼しく風が強い。

【土壌】

白雲石、砂質黄土、粘土砂礫褐色森林土壌。

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : エゼルヨ―、トラミニ、キライレアニカ、シャルドネ

Neszmely

【特徴】

ドナウ川右岸。中世よりワイン作りは行われていた。

【気候】

温和な大陸性気候。

【土壌】

ネスメーイ➡石灰岩、白雲石、泥炭土、頁岩、粘土、砂礫で表土は黄土が覆う。バールソニュショ丘陵地帯は褐色森林土

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : ソーヴィニヨンブラン、イルシャイ・オリヴェール、エゼルヨ―、シャルドネ

Pannonhalma

【特徴】

パンノンハルマ大聖堂は世界的に有名である。ハンガリーで最も古い生産地の一つ。997年にブドウ栽培の記録が残っている。11月11日(聖マルトンの日(パンノンハルマ出身の実在の人物))はハンガリーの新酒解禁日である。

【気候】

穏やかな大陸性気候

【土壌】

湖水性砂、粘土ローム性黄土土壌と褐色土壌を作り出している。

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : オラスリズリング、リズリング・スイルヴァーニ、イルシャイ・オリヴェール、キライレアニカ、チェルセギ・フューセレッシュ

<黒ブドウ> : 

パンノン地方

Villany重要

【特徴】

クロアチア国境近くの最南端。北緯46度でボルドー北部と同緯度。きわめてタンニンの多い赤ワインスタイルを確立。

【歴史】

ローマ時代よりブドウ栽培。オスマン支配終焉後、セルビア人によりカダルカがもたらされた。

1740年ドイツ人の入植により進歩的な農業ノウハウとドイツのブドウ品種ケークオポルト(ポルトギーザー)がもたらされた。

1854年生まれのジグモンド・テレキはフィロキセラ対抗用台木を開発した功労者である

【気候】

大陸性気候+地中海性気候

【土壌】

石灰岩、白雲石、アドービ粘土黄土、褐色土壌

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : オラスリズリング、ハールシュレヴェリュ、シャルドネ

<黒ブドウ> : カベルネフラン、ポルトギーザー、ケークフランコシュ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ

Szekszard

【特徴】

ローマ時代の11トンの大理石の石棺にブドウの木が描かれている。

【気候】

穏やかな大陸性気候

【土壌】

粘土、泥灰土、砂、砂岩

【主要ブドウ品種】

<黒ブドウ> : ケークフランコシュ、カダルカ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ

Pécs

【特徴】

【気候】

ハンガリーで最も暖かいワイン産地。地中海性気候。

【土壌】

赤色砂岩、石灰岩質岩石、砂、頁岩、石灰岩。南斜面は黄土、アドービ粘土土壌

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : シャルドネ、オラスリズリング

<黒ブドウ> : カダルカ、ケークフランコシュ、メルロ、カベルネフラン

Tolna

【特徴】

【気候】

穏やかな大陸性気候

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : シャルドネ、オラスリズリング、ゾルド・ヴェルトリーニ、リズリング・スイルヴァーニ、ラインリズリング

<黒ブドウ> : カダルカ、ケークフランコシュ、ツヴァイゲルト、カベルネ・ソーヴィニョン

トカイ地方重要

【特徴】

首都ブタペストから北東に230km。世界遺産に登録されている。

【歴史】

仏ルイ14世が「王のワインにしてワインの王」と称した。世界で最初に土地の投球と日照度によってブドウ畑に格付けされたワイン産地である。
<呼称問題>
1.アルザスのトカイ・ピノグリとイタリアのトカイ・フリウラーノが2007年4月以降使用禁止になった。
2.1920年トリアノン条約により、トカイの一部がスロヴァキアに割譲された。故障の使用に関して協議が続けられ2012年に両国での使用が認められることになった。

【気候】

秋の日中の寒暖差により貴腐菌を発生し、世界三大貴腐ワインの一つトカイの貴腐ワインが産出される。

【土壌】

ゼンプレーン山脈の丘陵地帯のふもとでは。流紋岩、安山岩質凝灰岩、黄土が中心。

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : Furmint , Hárslevelű (ハールシュレヴェリュ) , Sárgamuskotály(シャールガムシュコターイ)、Kobar、Kövérszölö、Zéta

品質分類

2013年に法改正がなされ、以下のクラスに分けられます。

品質区分 タイプ 最低残糖分 熟成期間
Eszencia フリーランジュースのみ使用 450g/ℓ以上  
Aszú ”糖蜜のような” 120g/ℓ以上 樽熟成18か月
Szamorodni・Szàraz
“自然のままに”
サーラズ(辛口)
9g/ℓ以下 最低6ヶ月以上
Szamorodni・Édes “自然のままに”
エーデシュ(甘口)
45g/ℓ以上 最低6ヶ月以上
Fordítàs プレスした後のアスーのペーストにマスト、発酵中のマスト、
または同じヴィンテージに造られた若いワインを加えて発酵
45g/ℓ以上
(甘口)
オーク樽
6ヶ月以上
Máslás アスー、サモロドニの澱にマスト、発酵中のマスト、
または同じヴィンテージに造られた若いワインを加えて発酵
45g/ℓ以上
(甘口)
オーク樽
6ヶ月以上
Pezsgö トカイのスパークリングワイン    
Késői szüretelésű bor 遅摘み 45g/ℓ以上  
特記事項 ・アスーは6プットニュと表記する場合は、150g/ℓ以上
・アスーワインは収穫年から3年後の1月1日以降
用語 プットニュ:収穫時に使用する桶(26kg入る)

(以上)


 

※参考文献
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)

 
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