本記事では、日本の酒類の地理的表示に関してまとめていきたいと思います。
教本では、長めの文章で説明がされていて、いまいち頭に入らない方もいるかもしれません。
大枠が分かるようにまとめてみようと思います。
エクセレンス試験で問われる内容でもあると思うので、エクセレンス受験予定の方たちにも有益になればと思っています。
地理的表示とは??
地理的表示とは
- 決められた一定の一定の基準を満たし、
- 正しい産地
であることを示しています。
実績のある、特徴ある酒類が国からお墨付きをもらえるということです。
以下、現在認定されているGI、どうすれば認定してもらえるかなどまとめていきます。
地理的表示が認められている酒類
日本では以下の酒類が地理的表示を認められています。
認定年 | ワイン | 日本酒 | 焼酎 |
1995 | 壱岐 球磨 琉球 |
||
2005 | 白山 | 薩摩 | |
2013 | 山梨 | ||
2015 | 日本酒 | ||
2016 | 山形 | ||
2018 | 北海道 | 灘五郷 | |
2020 | はりま 三重 和歌山梅酒 |
||
2021 | 利根沼田 萩 山梨 |
(国税庁HPより)
地理的表示認められる要件
地理的表示が認められるには、次の要件を満たす必要があります。
① 酒類の産地に主として帰せられる酒類の特性が明確であること
② その酒類の特性を維持するための管理が行われているこ
上記2点についてポイントをピックアップしてまとめます。
酒類の産地に主として帰せられる酒類の特性が明確であること
ひとつめの「酒類の産地に主として帰せられる酒類の特性が明確であること」とは、次の項目に示す要件を満たす必要があります。
- 酒類の特性があり、それが確立していること
- 酒類の特性が酒類の産地に主として帰せられること
- 酒類の原料・製法等が明確であること
1 酒類の特性があり、それが確立していること
酒類の特性が確立しているとは、酒類の特性を有した状態で一定期間製造されている実績があることをいう。
その地域独特の原料、製法で作られた地域で作られる同種の酒類と区別がつき、各種メディアを通じて社会的に広く知られていることが必要。
2 酒類の特性が酒類の産地に主として帰せられること
酒類の特性とその産地の間に繋がり(因果関係)が認められることであって、その産地の自然的要因や人的要因によって酒類の特性が形成されていること
以上のように定義されています。
つまり
「生産される土地の地形、気候、土壌など自然条件がそのお酒の特徴に寄与し」、また「その土地独特の生産ノウハウが酒類に特徴を与えている」
ことが必要です。
3 酒類の原料・製法等が明確であること
原料・製法等が明確であるとは、酒類区分ごとに示した次の項目について、明確に示すことができることをいう。
ワインを例にとると、
原料は→
- 産地内で収穫されたぶどうを85%以上使用
- 品種ごとのぶどうの糖度の範囲を適切に設定
- 水を使用していないこと、原則ブランデーやアルコール等を加えていないこと
製法は→
- 産地内で醸造、貯蔵されていること
- 補糖、補酸の基準を適切に設定すること
- 亜硫酸は350mg/l以下に設定すること
- 「果実酒等の製法品質表示基準」に規定する「日本ワイン」であること
ワイン以外の日本酒、焼酎については国税庁HPで確認できるので、そちらを参照ください。
その酒類の特性を維持するための管理が行われていること
一定基準を満たす管理機関により
1 生産基準で示す酒類の特性を有していること
2 生産基準で示す原料・製法に準拠して製造されていること
以上を、継続的に確認が行われています。
管理機関は地域内の酒類製造業者により構成されています。
その管理機関では、
- 酒類の特性に関する事項及び原料・製法に関する事項に適合していることの確認(理化学検査、官能検査を実施)
- 消費者からの問い合わせ窓口
- 地理的表示の使用状況の把握、管理
- 国税当局からの求めに応じて、業務に関する資料及び情報を提供
- etc
などの業務を通じて、特性を維持するための管理が行われています。
地理的表示の申請方法
産地からの申立によって、以下の手順で認可される。
- 各産地の製造者達による団体から、所轄する国税局に地理的表示の申請
- 国税局は意見聴取、現地調査などを実施
- 国税局長から国税局へ報告
- 最低30日間、パブリックコメントなどにより意見を募る
- 上記の一般の意見などを踏まえ、適当であるかどうか判断し、認可に至る
統一的な表示
GIの認可がわかるように以下の表示を、いずれか選択し記載することになっています。
「地理的表示」
「Geographical Indication」
「GI」
最後に
試験勉強ではついつい後回しになってしまいそうなパートですが、まとめなおすことで気づかされることも多く、私自身勉強になりました。だいたいは勉強していたと思っていましたが、抜けているところもたくさんありました。
今回の地理的表示のように、理解するのに一苦労しそうなテーマを選定して、今後解説していきたいと思います。
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