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概論_ワインの作り方・醸造技術

概論
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醸造方法の基本的な工程については、赤、白とも大きくは違わないのでベースは覚えやすいかと思います。特殊な醸造方法のワインはその特徴をとう問題が出たりするので要チェックポイントです。

醸造方法の勉強を通じて、香りがよくて、おいしいワンはいろんな技術のもと、味わえているんだなということを実感させてくれます。

資格を取ろうとしている方たちにとっては、朝飯前かもしれません。間違いやすい単語、用語もあるので正確に覚えましょう!

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学習のポイント

  • 各タイプ基本的な醸造工程を理解する
  • 各種醸造技術は良く出題されるので、それぞれの効果・方法を理解しておく

白ワインの作り方

 

 

【1.収穫】
グレードの高いワインを作るために、より良い果粒を選定する。

【2.選果】
収穫したブドウを熟度や傷み具合別に選別する。
より厳選されたブドウで造られたワインの価格は高いものとなる。

【3.圧搾】
収穫後、圧死駆使果汁だけ威を抽出する。

【4.発酵(フェルマンタシンオン・アルコリック)】
ブドウ果汁をタンクに入れ、酵母を加え発酵を行う。ブドウの成熟度合いが低い場合は補糖(シャプタリザシオン)を行う。発酵温度は15~20℃。
白ワインでも醸し工程を用いる場合もある。

【5.マロラティック発酵】
ワイン中のリンゴ酸が乳酸菌の作用により乳酸に変化する。
①酸味がやわらげられまろやかになる。
②複雑性が増し、豊潤な香味を形成する。
③微生物学的にも安定する。

【6.樽熟成(エルヴァージュ)】
発酵を終えたワインを樽で数か月~数十年熟成させる。これによりワインを落ち着かせ、バランスを程よい飲み口に変えていく。
熟成中、樽の目減り分を補充(ウィヤージュ)を行う。

【樽熟成の主な効果】
①空気との接触
②樽からの成分抽出
③清澄化の促進
④色調の安定
⑤成分重合による安定化と風味の複雑化

【樽のローストにより抽出される香り】
・軽いヴァニラ香
・スパイス、ココア、チョコレート
・煙、コーヒー、カラメル

【滓引き(スーティラージュ)】
沈殿した澱を取り除くために、ワインを別の容器に移し替える。

【清澄濾過】
さらに透明にするために清澄剤(卵白、タンニン、ゼラチン、ベントナイトなど)
瓶詰前にフィルタープレスなどでろ過を行う。

【瓶詰】
上記までの工程後、瓶詰し出荷または熟成のため貯蔵される。

赤ワインの作り方

 

【収穫】

【選果】
グレードの高いワインを作るために、より良い果粒を選定する。

【破砕・除梗】
黒ぶどうをつぶし、除梗する。酸化防止と殺菌のため二酸化硫黄を添加する。

【発酵(フェルマンタシンオン・アルコリック)、醸し(マセラシオン)】
ブドウ果汁をタンクに入れ、酵母を加え発酵を行う。ブドウの成熟度合いが低い場合は補糖(シャプタリザシオン)を行う。発酵温度は26~30℃。

発酵後3~4日で果皮から赤い色素のアントシアニン、種子からタンニンが抽出される醸しという工程が始まる。この醸しの期間の違いでワインのスタイルを調整する。

醸しの期間中果肉や果皮が浮上してきて果房を形成する。より効率的に醸しを行うためにルモンタージュ(撹拌。ポンプアップした果汁を果房にかける。)を行う。

ルモンタージュの効果
①酸素供給
②糖分、酵母、温度を平均化
③果皮からフェノール類その他成分の抽出

【圧搾】
発酵後、タンクから液体を抜き取り、残った果皮や種子を圧搾機にかけて液体を絞り出す。

【マロラティック発酵】
ワイン中のリンゴ酸が乳酸菌の作用により乳酸に変化する。
①酸味がやわらげられまろやかになる。
②複雑性が増し、豊潤な香味を形成する。
③微生物学的にも安定する。

【樽熟成(エルヴァージュ)】
発酵を終えたワインを樽で数か月~数十年熟成させる。これによりワインを落ち着かせ、バランスを程よい飲み口に変えていく。
熟成中、樽の目減り分を補充(ウィヤージュ)を行う。

★樽熟成の主な効果
①空気との接触
②樽からの成分抽出
③清澄化の促進
④色調の安定
⑤成分重合による安定化と風味の複雑化

★樽のローストにより抽出される香り
・軽いヴァニラ香
・スパイス、ココア、チョコレート
・煙、コーヒー、カラメル

★樽材の産地

オーク材が多く用いられます。ヨーロッパでワイン用に使用されるオーク材はセシルオーク、ペドンキュラータオークの2種が自生しています。

フランスで有名な産地は  Tronçais/Allier/Limousin/Nevers/Vosges/Bourgogneが有名

【滓引き(スーティラージュ)】
沈殿した澱を取り除くために、ワインを別の容器に移し替える。

【清澄濾過】
さらに透明にするために清澄剤(卵白、タンニン、ゼラチン、ベントナイトなど)
瓶詰前にフィルタープレスなどでろ過を行う。

【瓶詰】
上記までの工程後、瓶詰し出荷または熟成のため貯蔵される。

ロゼワインの作り方

ロゼワインの製法については、以下の3つがあります。

セニエ法

赤ワインと同様の工程で、醸しの際、色づいたところで液体を分離します。そのあと低温発酵させます。血抜き法とも呼ばれています。

直接圧搾法

黒ブドウを原料として、白ワインと同様の作り方をします。圧搾の際、果皮から色が抽出されます。

混醸法

白ブドウと黒ブドウが混ざった実醪を発酵させます。(ドイツのロートリング

スパークリングワインの作り方

 

上記工程の詳細説明は、シャンパーニュの記事で説明しています。

製法には以下の3つの方法があります。

トラディショナル方式

スティルワインに糖分と酵母を加えて、密閉し瓶内で二次発酵させます。その際発生する炭酸ガスが封じ込められ、スパークリングワインとなります。

シャルマ法式

大型密閉タンクで二次発酵を起こします。短期間に多量に生産できるメリットがあります。瓶内二次発酵に比べて泡の持ちが悪いです。

トランスファー方式

瓶内二次発酵したワインを加圧化のタンクに開け、冷却、ろ過して新しいボトルに詰め替える方式です。

Closure

コルク栓(Bouchon)

コルク栓は以下の種類がある。

天然コルク

コルク樫からから造られる。上質なものは10年以上かけてコルク層が成長するのを待つ必要がある。

コルクに含まれる2,4,6ーtrichroloanisole(TCA)によってワインが劣化することがある。前駆物質の2,4,6ーtrichrolophenole(TCP)は匂いは弱いが、カビが持つ酵素でTCAに変換されることでコルク臭(bouchoonè)が発生する。

圧搾コルク

天然コルクを打ち抜いたあとの残った部分を粒子状にし、成形したもの。コルク臭を除去する工程を散り入れているものもある。

合成コルク

プラスティック、弾力を持つ発泡性プラスティックのものがある。

スクリューキャップ

金属製のネジ式のキャップ。液面との接触部分にライナーを付け、密閉している。還元臭が出るリスクを下げるためにワインの溶存酸素をコントロールする必要がある。

各種醸造技術

【マセラシオンカルボニック】

収穫したブドウを破砕せず、そのまま密閉したステンレスタンクへ入れ、二酸化炭素の気流中に数日置く方法。

ボジョレーのような非常にフルーティーになり、色がよく出ている割にタンニンの少ないフレッシュな味の赤ワインができる。

【シュールリー】

ロワール地方で行われている作業で、発酵後ワインを滓引きせずに数か月放置する方法。若々しく爽やかでフルーティーなワインとなる。

【スキンコンタクト】

白ワインを赤ワインのように醸しを行う方法。
ブドウの品種特性がより濃厚になることを目的とする。

【マセラシオンアショー】

早飲みタイプの赤ワインを作る時に採用される方法で、ブドウを破砕後80℃まで加熱して色素やタンニンを抽出した後、圧搾効率を高めるためにペクチン分解酵素を添加して圧搾したあと20℃以下に冷却して発酵する方法。

色素がよく出て、タンニンが少ないワインができる。

【プレファーメンション・コールド・マセラシオン】

発酵前に亜硫酸や酵素を添加し低温5~15℃に保ち、数日循環させて果皮成分を抽出させる方法。
色調とアロマが高く、程よいタンニンを含むワインができる。樽発酵    白ワイン(特にシャルドネ)に樽由来の香気成分や呈味成分を加えるために行う。

【クリオエキストラクシオン】

氷果仕込みといわれ、収穫したブドウを-7℃以下で冷凍貯蔵し、凍結果汁を圧搾し、糖度の高い果汁を発酵させる白ワインの製法。

【逆浸透膜濃縮】

逆浸透膜により果汁を濃縮する方法。熱を加えることがないので成分が変性することはない。

【常温減圧濃縮】

真空度の高い容器で濃縮する方法。
ECワイン法により、濃縮にあたっては果醪容量の20%未満の濃縮、またはアルコール分2%未満の糖分の濃縮を条件に許可されている。

【ミクロ・オキッジジェナシオン】

発酵中、貯蔵中に赤ワインに酸素の微泡を吹き込み、ポリフェノールの参加重縮合を促進する方法。フランスのマディラン地域でタナの強烈な渋みを和らげるために開発された方法。

口当たりがよくる。ただし長期熟成には不適当である。

【ノン・コラージュ】

滓下げ操作を行わないワイン。

【ノン・フィルトラシオン】

濾過を行わないワイン。

最後に

国ごと、エリアごとに様々醸造方法を駆使して、ワインが造られています。エリアごとの醸造方法の特徴を知っておくことで、ここのワインはこんな作りだからこんな特徴がするのではないかと、推測することができるかと思います。

試験にも出題されますし、ワインを楽しむための知識としても、しっかり覚えておきたいパートです。

 

※参考文献
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)

 
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