ビールやスピリッツなどの作り方や分類を勉強します。よく試験にも出ますので、まんべんなく覚える必要があります。
ビールの上面発酵、下面発酵など初めて目にする単語の方も多いと思います。とにかく覚えるしかないので、がんばりましょう!
学習のポイント
- ビールの種類、生産国
- ビールの上面発酵、下面発酵の分類
- 各種スピリッツの製法と特徴の把握
- 中国酒、ミネラルウォーターの特徴を覚える
ビール
日本の酒税法では
「麦芽、ホップ、水、あるいはこれらに麦、コメ、トウモロコシなどの税法上定められた物品を原料とし発酵させたもの」
と規定されています。
定められた物品の合計重量が麦芽の重量の半分を超えていないものは「発泡酒」となる。
<ビールの原料>
麦芽(二条大麦)、ホップ、副原料(麦、コメ、トウモロコシ、でんぷんなど)
ビールの製法
特定表示
ラガービール : 貯蔵工程で熟成させたビール
生・ドラブトビール : 熱処理をしていないビール
黒ビール : 濃色の麦芽を一部に使った色の濃いいビール
スタウト : 濃色の麦芽を原料に一部使い、色が濃く香味の強いビール
ビールの発酵分類
酵母の性質により、
発酵中に液面に浮かび上がる「上面発酵ビール」
発酵後酵母が沈殿する「下面発酵ビール」
に分類される。
<上面発酵ビール>
【エール】
生産国:イギリス
特 徴:アルコール度数は軽め。ホップの香味が効いたペールエール、中濃色のマイルドエール、濃色のブラウンエール、ホップの苦みが効いたビターエールがある。
【アルト】
生産国:ドイツ
特 徴:濃色ビール。ホップの香味を強調している。
【バイツェン】
生産国:ドイツ
特 徴:小麦麦芽を使用した苦味が非常に少なく炭酸ガスが高いビール
【トラピスト】
生産国:ベルギー
特 徴:濃色ビール。瓶内発酵も行われる。
【スタウト】
生産国:イギリス
特 徴:ギネスビールが代表。濃厚でホップのきいた苦味の強い濃色ビール。
<下面発酵ビール>
【ピルスナー】
生産国:チェコ
特 徴:爽快な風味。日本の淡色ビールもこのタイプ。
【ボック】
生産国:ドイツ
特 徴:芳醇でコクあり。アルコール度数も高め。
その他
【ランビック】
生産国:ベルギー
特 徴:大麦麦芽+小麦+古いホップを使用する。酸味や特有の香りを持つビール。
スピリッツ
ジン
穀類を原料とし、麦芽や酵素剤を利用して投下、発酵、蒸留して作られる蒸留液にジュニパーベリーやコリアンダーシードを加えて、再度蒸留したものである。
- シュタインへーガー
- ジェネバ
- ドライジン
穀類を原料とした蒸留酒にボタニカルを加えて再度蒸留。ボタニカル特有の香り。ドライジンはボタニカルな風味が特徴。ジュネバは風味が濃厚で麦芽の香りが残っている。
甘いまろやかな口当たり。あとにドライ感。草の風味、青っぽい、植物的
ウォッカ
穀類、イモ類を原料として糖化、発酵、蒸留し得られたスピリッツを白樺炭でろ過した蒸留酒である。クセがほとんどないのでカクテルのベースでよく使われる。
テキーラ
- 原料:竜舌欄(ブルーアガベ51%以上使用)
- マルガリータのベース
- レポサド(2か月以上1年未満の短期間熟成)、アニョホ(1年以上熟成)、エキストラアニョホ(3年以上熟成)
ラム
- 原料はサトウキビ
- 西インド諸島で生まれたお酒
- ライト、ゴールド、ダークの3つに分類される
- 仏・マルティニック(農業生産ラム)
<ラムのAOC>
・マルティニックブラン(最低3か月の貯蔵期間)
・マルティニック(オーク樽で最短12か月熟成)
・マルティニック・ヴィユー(650リットルオーク樽で最短3年間熟成)
カクテル
定義 : ある酒に別の酒や、何かを加えて新しい味を捜索した飲み物
【4つの技法】
技法名 | 説明 |
Build | グラスに直接注ぎ、作るカクテル ジントニック、ハイボールなど |
Stir | 混ぜる、撹拌するという意味 マティーニやマンハッタンなど |
Shake | 振るという意味 酒と混ざりにくい材料を合わせるときにシェーカーを使用して作る。 |
Blend | 混和するという意味 フローズン系のカクテル作るときの技法 |
【カクテルのタイプ】
タイプ | 説明 |
アペリティフ | 食前酒➡甘味を押さえた、酸味、 苦みのある高アルコールの飲料 食欲増進効果が狙い |
ディジェスティフ | 食後酒➡口直しための飲料 ブランデーが代表的 |
オールディタイプ | 食事とは関係なく、単独で飲まれるもの ソルティドッグ、モスコミュールなど |
ノンアルコール | シャーリーテンプル、フロリダ、 シンデレラなど |
中国酒
黄酒
- 穀類を原料とした醸造酒
- 熟成させたものを老酒(ラオチュウ)
- 日本では、「紹興酒」が有名
白酒
- 蒸留酒の一般的呼称
- コウリャン、コメ、大曲などを原料とする
ミネラルウォーター
定義
- 国により定義が異なる
- 日本では「ナチュラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」「ミネラルウォーター」「ボトルドウォーター」の4つに分類される。
分類
分類 | 原水 | 処理方法 |
ナチュラルウォーター | 特定水源から採取した地下水 無機塩類の溶解が少ない |
濾過、沈殿、加熱処理のみ |
ナチュラルミネラル ウォーター |
特定水源から採取した地下水 無機塩類が溶解した原水 |
濾過、沈殿、加熱処理のみ |
ミネラルウォーター | 特定水源から採取した地下水 | 濾過、沈殿、加熱処理 +成分変化処理 |
ボトルドウォーター | 特定水源から採取した地下水 | 濾過、沈殿、加熱処理 +成分変化の大きい処理 |
原水が地下水以外のもの | 法令に基づく加熱殺菌処理など |
硬度
WHOでは120mg/ℓ未満を軟水としている。主なミネラルウォーターの高度は以下の通り。
硬 度 | 主な銘柄 |
100mg/ℓ以下 | 天然水、クリスタルガイザー、ボルヴィック |
100-300mg/ℓ | アクアパンナ、エビアン、ヴァルス |
300-500mg/ℓ | ヴィッテル、ペリエ、クリスタン |
500-1000mg/ℓ | サンペレグリノ、ヴァットヴィレール |
1000mg/ℓ | コントレックス、クールマイヨール |
最後に
ワイン以外にもたくさん覚えることがありますが、これらの知識を身につけて飲むお酒は味わい深いものになると思っています。その他酒類全般に言えますが、酒ライフには、あったほうがいい知識を思い、頑張って覚えていきましょう!
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)
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