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エクセレンス 【ドイツ】

エクセレンス
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2020年度版の反映とエクセレント対策として原語表記を追加しました。

 

2021年度版ワイン教本記載の新しいドイツのワイン法規については未反映です。
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学習のポイント

  • ワイン法を整理し、理解する。
  • 各種規定、条件、分類他の基準を覚える。
  • 各種用語を覚える。

ドイツワインの概要

特徴

北に位置する伝統的なワイン生産国。北緯47-52度にワイン産地が分布している。

ワイン産地が集中する南西部は、大西洋と大陸の両方の気候の影響を受ける。近年温暖化の影響で、高温になる日も少なくない。

ワインの物流のため、河川沿いにワイン産地はある。

白ワインが66%を占める。90年代前半までは甘口白ワインが人気であった。その後世界的な赤ワインブームの影響で黒ブドウの栽培面積が急増した。スタイルも変化し、単独から食事と合わせて飲むことが多くなり、辛口のワインが好まれるようになった。

歴史

  • 1~2世紀ころ、ローマ軍によりブドウの苗気が持ち込まれる(代表的な品種はエルブリング)
  • 8~9世紀、フランク王国のカール大帝によるワイン作業の立て直し
  • 1618年からの30年の戦争や病害によりワイン産業は打撃を受ける
  • 1895年フィロキセラ被害

地理的条件

地図

気候

  • 気候区分は西岸海洋性気候
  • 東部は内陸性気候
  • 緯度が高いため、朝が明けるのが早く冷涼な気候ではあるが、日照時間はしっかりある

土壌

※別途産地毎に説明

主要ブドウ品種

 

ドイツの主要ブドウ品種
No 白ブドウ 黒ブドウ
1 リースリング シュペートブルグンダー
2 ミュラートゥルガウ ドルンフェンダー
3 グラウブルグンダー ポルトギーザー
4 ヴァイスブルグンダー トロリンガー
5 シルバーナー レンベルガー

地元料理

 

地域名 料理名
  酢漬けのきゅうり、乳酸発酵したキャベツ(Sauerkraut)
Winzervesper(地元のハムとチーズの盛り合わせ)
Hering(酢漬けのニシン)
バイエルン Weiβwurst(白いソーセージ)
Leverknödel(牛レバーを挽いたものをパン粉と卵を混ぜて団子にし、
スープに浮かべたもの)
Semmelknödel(固くなったパンを刻み、びゅう入、バター、卵、
炒めた玉ねぎを混ぜて塩ゆでした団子)
Böfflamot(牛肩肉の赤ワイン煮込み)
Schweinehaxe(皮をバリバリにローストした豚スネ肉)
フランケン

Nürnberger Bratwurst (白っぽいソーセージ)
Blaue Zipfel(豚ひき肉の腸詰めを玉ねぎ、ワインビネガーと
香味野菜のスープで煮込んだもの)
Rauchbier(燻した麦芽で醸造するビール)

シュヴァーベン Maultasche(パスタ生地の中にひき肉・ホウレンソウ・
パン粉・タマネギを詰め、パセリやナツメグでフレーバーを
加えている。)

Käsespätzle(卵入り太麺にセミハード系チーズを溶かし
からめてフライドオニオンをちらしたもの)

ヘッセン Frankfurter Würstchen(フランクフルトソーセージ) 
Handkäs mit Musik(ワインヴィネガー、タマネギ、
キャラウェイシードでマリネした乳酸で凝固させたチーズ)
Frankfurter Grüne Soße(サワークリームに微塵きりにした
7種の香草を混ぜた緑色のソース)
Apfelwein(アップルワイン、アルコール5-7%)
ラインラント Sauerbraten(酢漬け肉のロースト)
Saumagen(豚肉細切れ、じゃがいも、ソーセージペーストを
豚の胃袋に入れ、熱湯で火を通し、フライパンで炙ったもの)
Gräwes(マッシュドポテトにザウアークラウトと
ベーコンを会えた料理)
季節感 2月から4月の断食➡Hering(酢漬けのニシン)
4月上旬から聖ヨハネ祭日6月24日➡Spargel(アスパラ)
6月中旬➡Pfifferlinge(あんず茸)
秋のジビエ(鹿や猪など)
Federweßer(新酒)➡Zweibelkuchen(タマネギ、
ベーコン入りキッシュ)

 

ドイツのワイン法・品質分類

【分類】

分 類 説 明
Deutscher Wein 主に地元で飲まれる、日常用テーブルワイン
ggA
(Landwein)
辛口または半辛口に仕上げられている。
26栽培地域があり、トロッケン(辛口)と
ハルプトロッケン(中辛)のみ
gU/QbA
(指定地域上質ワイン群)
Qualitätswein
Qualitätswein mit bestimmter Anbaugebiete

13の指定された栽培地域でつくられる上質ワイン
ドイツでもっとも生産量が多い
エクスレ度51以上

gU
(Prädikatswein)
産地が限定された最上級のワイン
収穫時のエクスレ度(ぶどうの糖度)によって、
下表に示す6つのランク(肩書き)に分けられる
糖度が高いほど、高級品とされ、特に凍結ぶどうから
つくるアイスヴァインと、貴腐ぶどうからつくる
世界三大貴腐ワインのひとつ
「トロッケンベーレンアウスレーゼ」は、
世界的に知られた最高級品です。

【Prädikatsweinの分類】

分 類 説 明
Kabinett
カビネット
やや辛口(果汁糖度:70-82°Oe)
QmPの中では最も糖度の低い葡萄から作られる。
Spätlese
シュペートレーゼ
甘口(果汁糖度:76-90°Oe)
1週間の遅摘み。これは「遅摘み」の意味で、
カビネットよりも一段、原料果汁の糖度が高い
Auslese
アウスレーゼ
甘口(果汁糖度:83-100°Oe)
シュペトレーゼよりもさらに一段、
糖度の高い原料で造られる。
Beerenauslse
ベーレンアウスレーゼ
極甘口(果汁糖度:110-182°Oe)
熱した、または一部貴腐菌のついた粒を
選んで摘む。
稀に貴腐ワインとなる。甘口なものが多いが、
流通量はそれほど多くはない。
Eiswein
アイスヴァイン
極甘口(果汁糖度:70-82°Oe)
自然の状態におき、寒波を待って樹になった
ままの凍結した果実から作られるワインです
Trockenbeerenaulese
トロッケンベーレン
アウスレーゼ
極甘口(果汁糖度:150-154°Oe)
貴腐菌がついた関した果粒を選んで摘み、
その果実を使ってワインを作ります。 名称は「乾いた果粒を選り摘んだ」という
意味であり、暗に「貴腐化」を指しているが、
厳密には貴腐ワインではなくてもよく、
一部の品種、例えばオルテガなどでは、
貴腐菌の影響なしに同じ状態の果粒を
得ることができます。

ドイツでは、以下の3種類に分類されます。ドイツの品質管理において「エクスレ度」「A.P.Nr.」という用語を理解しておく必要があります。

「A.P.Nr.(アーペーヌンマー)」(Amtliche Prufungsnümmer)

「エクスレ度」
エスクレ度:「20℃で純粋の比重を1000oeとする。ブドウ果汁等の成分を含む場合は、純粋より比重が大きくなる。比重が1080oeとなった場合、下2桁で80oeと示される。」

①ブドウの収穫時期と成熟度②ワインの化学分析結果③官能検査

ローカルコントロールセンター、瓶詰人の所在地、認識番号、瓶詰番号、検査年号を記載

残糖値とスタイル

表記名 規定
torocken 残糖値4g/㍑以下、または
総酸値と残糖地の差が2g/㍑以下であれば9g/㍑
halbtrocken 残糖値9-18g/㍑以下、
ただし総酸値と残糖地の差10g/㍑以下まで
lieblich Halbtrockenを上回り、残糖値45g/㍑未満の
残糖を含む甘口
süß 残糖値45g/㍑以上の甘口
feinherb 法的な基準値なし。オフドライ。
さんやミネラルのバランスで甘みが抑えられて
感じられる場合に使用される。

Oechesle : 「20℃で純粋の比重を1000oeとする。ブドウ果汁等の成分を含む場合は、純粋より比重が大きくなる。比重が1080oeとなった場合、下2桁で80oeと示される。」

Süßreserve : 収穫後の果汁を発酵させずに保存し、ワインの仕上げ時に調整用として25%以内で加えることができる。トロッケン、ハルプトロッケンで使用されることもある。

ドイツのブドウ畑の格付け

VDP Prädikatsweingüter(プレディカーツヴァイン醸造所連盟) がブドウ畑の格付けを推進している。以下の4つの品質基準が設けられている。(2012年ヴィンテージより)

品質クラス 規 定
Große Lage
グローセ・ラーゲ
グラン・クリュクラス
<Erste・Gewächs>
VDPラインガウが認可した1級畑
<Großes Gewächs グローセス・ゲヴェックス>
ラインガウ以外のVDPが認可した格付け1級畑
<主な規定>
・収穫量は50hℓ/ha
・グローセラーゲ区画で認可された品種
・シュペトレーゼ以上の完熟度
・すべて手摘みetc
Erste Lage
エアステ・ラーゲ
プルミエクラス
・許可された畑のブドウを使用
・認可されたブドウ品種
・収穫量は60hℓ/ha
Ortswein
オルツヴァイン
村名ワイン
・80%以上典型的、伝統的なブドウ品種を使用
・収穫年の翌年3月1日以降発売開始
・収穫量は75hℓ/ha
Gutswein
グーツヴァイン
醸造所名入りワイン
・VDPに定められた畑からのみ収穫

スパークリングワイン

Perlwein

弱発泡酒。20℃で1~2.5気圧。

最上品質のQualitatsperlwein b.A.であるが、ワインの一次発酵で生じた炭酸でなかればならない。

残糖値は
trocken:0-35g/ℓ
halbtrocken:33-50g/ℓ
mild:50g/ℓ以上

Schaumwein

 

【Sektの定義】: 20℃、3.5気圧以上、アルコール10%

ゼクトの種類 規 定
Schaumwein 20℃、3.0気圧以上、アルコール9.5%
Sekt
Qualitätsschaumwein 
20℃、3.5気圧以上、アルコール10%
Deutcher Sekt 100%ドイツ産ブドウを使用
Sekt b.A.
Qualitätsschaumwein b.A.

100%指定栽培地域内 アンバウゲビーテをラベルに表示する。
品種ビンテージ表示の場合、それれぞれの85%以上を満たす必要がある。
ブドウ品種は3種類まで表示可能でA.P.Nr.がつく。

Winzersekt:自家栽培、自家醸造したベースワインを自家醸造、専門業者へ委託して作ったもの

Crémant:Sekt b.A.で手作業で収穫。全房圧搾。150kg→100ℓ。瓶内二次発酵。製造期間9か月以上。

ゼクト醸造のノウハウを持つ専業者を「Lohnversekter」と呼ばれ、スティルワイン生産者もここに委託し、スパークリングワインをリリースしている。

Pét Nat

一次発酵の途中で瓶詰めして炭酸をワインに溶け込ませるMethod Ancestralと同様の製法で作るスパークリングワイン。

2015年からドイツの若手ビオワイン生産者たちが醸造している。

Pét-NatはPétillant Naturelの略。炭酸の気圧は3.0barを超えるものがあるので、PerlweinではなくSchaumweinに分類される。

野生酵母で発酵し、亜硫酸も門出のリキュールも添加しない。やや白っぽく仕上がる。アルコール度数は11%前後で軽やかなワインになる。酵母の風味の混じる辛口の白可ロゼである。

ロゼワイン

 

名 称 説 明
Roséwein
ロゼヴァイン
赤品種のみ。果汁のみ発酵
Weißherbst
ヴァイスヘプスト
単一品種。品種名記載。gU
Blanc de Noirs
ブラン・ド・ノワール
黒ブドウを圧搾し、その果汁から白ワインを造る。(EU、表記は任意)
Rotling
ロートリング
白と赤を発酵前に混ぜてから醸造する
Schillerwein
シラーヴァイン
ヴュルテムベルクのロートリングの名称
Badisch Rotgold
バーディッシュ
=ロートゴールド
バーデンのロートリングの名称
Schieler
シーラー
ザクセンのロートリングの名称

 

用語

No 用語 意味
1 Bereich 13地域内に指定されている地区
2 Steillage 斜度30度以上のブドウ畑
3 Keller ワイン蔵
4 Weingut 醸造所(ブドウ畑自家所有)
5 Winzergenossenschaft 醸造協同組合
6 Lage im Alleinbesitz モノポール
7 Fass
8 Weingut 自社畑の葡萄からの醸造者(ドメーヌ)
9 Fuder 1000ℓの樽、主にモーゼル
10 Stückfass 1200ℓの樽、主にラインガウ

 

(以上)

 

※参考文献
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)

 
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