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エクセレンス 【ドイツ 13特定ワイン生産地域】

エクセレンス
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エクセレント対策として、本記事では、ドイツの特定ワイン生産地域の各地域の詳細説明、地図は原語表記、べライヒの追加他を追加しました。

 

2021年度版ワイン教本記載の新しいドイツのワイン法規については未反映です。
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ドイツの特定ワイン生産地域

 

Ahr

【特徴】

ドイツ西部における最北の生産地。ブドウ畑はアール川沿いに広がる。蒸留は急斜面であるが、下流に行くに従い平野が広がる。赤ワインが80%を占めるワイン産地である。近年、若手醸造家たちにより高品質化が進んでいる。

アール川沿いのワイン産地。主にシュペートブルグンダーを使用し、軽めでアロマティックな赤を産する。赤の産地(85%)であるが、ドイツのベライヒではザーレ・ウンストルートに次ぐ北方(北緯50度)にある。

【歴史】

ローマ時代からワイン造りは行われていた。1868年にマイショースに醸造協同組合が結成された。ドイツ初の組合である。

【気候】

比較的温暖なエリアである

【土壌】

上流:粘板岩
下流:レス土、ローム質粘土

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : Riesling

<黒ブドウ> : Spätburgunder、Frühburgunder

【村名/畑名】

Walporzheim/Ahrtal
 

Mosel

モーゼル川沿岸やザール川の沿岸の地域。
リースリング主体で構成の豊かな芳香、上品な果実味、繊細でフルーティーな酸味豊かなしっかりしたワインが多い。有名な畑シャルツホーフベルクなどを含む。
急斜面に有名な畑が多く、90%以上が白ワインである。スレート状粘板岩(シーファー)土壌のリースリング等から作られる。
モーゼル川上流では、ドイツ最古の品種「エルブリング」を使用したスパークリングワインが造られている。

【特徴】

モーゼル川と支流のザール川、ルーヴァー川を含む流域にブドウ畑が広がる。急斜面の畑を石垣を用いてテラス上にブドウ畑を仕立てていることからTerassenmoselと称することもある。リースリングが60%以上を占め、甘口ワインで知られていたが、近年は温暖化の影響などもあり辛口ワインも増えてきている。従来の甘口ワインもモーゼル独特の酸味により、愛好家には根強い人気がある。

【歴史】

3世紀にはワイン作りが盛んであった。西ローマ帝国滅亡後、修道院がワイン作りの伝統を引き継ぎ、現在に至る。1868年にプロイセン政府がブドウ畑の格付けの地図を作製したが、これがプレディカーツヴァインの格付けの基礎資料となっている。1950年代半ば、甘口ワインの人気で栽培面積も急増したが、売れ行き不振などで栽培面積も減少した。

【文化・経済】

 

【気候】

雪の少ない穏やかな冬と最高気温が35度をける暑い夏が特徴。年数回氷点下7度前後になり、アイスヴァインの収穫が可能となる。

【土壌】

オーバー:石灰岩、コイパー
ミッテル:スレート状粘板岩(シーファー)、青色
ウンター:スレート状粘板岩(シーファー)、青色

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ>  

Riesling
Müller-Thurgau
Elbling
Kerner
Weißburgunder

<黒ブドウ>  

Spätburgunder
Dornfelder

【村名/畑名】

Burg Cochem
Bernkastel
Obermosel
Ruwetal
Saar
Moseltor

 

Mittelrhein

 

【特徴】

ライン川流域の生産地で、ドイツで2番目に生産量が少ない。ブドウ畑は減少傾向であるが、高品質ワインは造られ続けている。

ライン川がナーエ地区を過ぎたあたりから、モーゼル川が合流するコブレンツを経てボンの近くまでの約130キロに亘る長いライン川沿いの地域。途中にはローレライや美しい古城などがあり、傾斜地のスレート状粘板岩(シーファー)土壌のリースリング等から作られるフレッシュな酸味を持つ白ワインやスパークリング・ワイン(ゼクト)が多い。

ワインは地元消費されることが多い。近年は規模が徐々に拡大し、有機栽培に取り組む生産者も現れてきている。

【土壌】

粘板岩、硬砂岩、
北部:火山性土壌

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : Riesling、Müller-Thurgau

<黒ブドウ> : Spätburgunder

【村名/畑名】

Siebengebirge
Loreley 

Pfalz

【特徴】

ドイツで2番に大きい生産地域。ブドウ以外の果樹栽培も盛んである。1980年代までは甘口ワインが量産されていた。この地域の祭りでは、500mlのDubbeglas(デュベグラス)と呼ばれる、壁面に凹凸のついた独特のコップでワインが供されていた。

ラインヘッセンよりさらに南の地域で温暖な気候のため、ラインヘッセンに次ぐ生産量である。
リースリング主体、ミュラートゥルガウ、ドルンフェンダーを使用。
マイルドでコクのある表情豊かなワイン

【歴史】

教会、修道院を中心にブドウ栽培、ワイン作りが行われていた。1600年代の30年戦争、ファルツ継承戦争で大きな被害が出た。1980年代までは甘口ワインが大量生産されていたが、1990年代後半から辛口ワインも作られるようになった。

名醸造家のHans-Günter Schwarz(ハンス=ギュンター・シュヴァルツ)が「ブドウ畑を徹底して世話をするが、セラーではできるだけ介入しない」という基本方針を多くの研修生たちに伝えられた。5人の若い生産者がSudpialz Connexionを結成し、シュペートブルグンダーを再現して話題となった。Die Pradikatsweinguterの若手育成プロジェクトなどもあり、品質向上に熱心な地域となっている。

【気候】

ドイツで最も温暖な気候

【土壌】

雑色砂岩、貝殻石灰岩、コイパー、玄武岩

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : 

Riesling
Müller-Thurgau
Grauburugunder
Weißburgunder
Kerner

<黒ブドウ> : 

Dornfelder
Spätburgunder
Portugiese

【村名/畑名】

Mittelhaardt-Deutsche Weinstraße
Sücliche Weinstraße

Rheingau

【特徴】

粘板岩と珪岩の急斜面が続くライン川沿いにブドウ畑がある。78%がリースリングで占められている。12%がシュペートブルグンダーである。

187年にドイツで初めてブドウ畑を3段階に格付けした地図がラインガウで刊行された。この地は高品質ドイツワインをリードする産地である。

ライン川の沿岸の地域でリースリング主体。華やかなワインが多い。1775年にシュペトレーゼを偶然開発した著名な畑ヨハニスベルクなどを含む。
カビネット、シュトペレーゼ発祥の地である。
果実味豊かで力強い酸味、洗練された方向、気品のある最高級ワインである。

ラインガウには若手醸造家を育てるガイゼンハイム大学がある。各地の若手醸造家団体結成などのムーブメントの震源地となっている。

【歴史】

1-3世紀のローマ時代からブドウ栽培は多な割れている。1136年にシトー派の修道院が設立され、その時シュペートブルグンダーが持ち込まれたとされる。この修道院はその他地域でもワイン作りを行い、収入の40%をワイン販売で賄っていた。

1980年代初めは過剰生産により品質が低下したが、一部生産者がカルタ同盟を1984年に結成し、その後、VDPラインガウに吸収された。ラインガウ出身者以外の生産者が現れたり、伝統的醸造所の責任者になったりするなど新しい動きがある。

【気候】

夏は暖かく、冬は温暖な気候

【土壌】

粘板岩、珪岩、千枚岩
ヨハニスブルク:珪岩

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ> : Riesling

<黒ブドウ> : Spätburgunder

【村名/畑名】

Johannisberg

Nahe

【特徴】

ナーエ川河口から南西に向けてブドウ畑が広がる。多様な土壌を持つ。

【歴史】

1980年代までは様々な交配品種が栽培され、栽培試験場のような状況であった。現在は伝統品種への回帰、高品質化が進んでいる。

【気候】

年間平均気温9.5℃、年間降水量520mm、年間日照時間1510時間

【土壌】

北西:粘板岩、千枚岩
南西:粘土質板岩混じる砂質、流紋岩、安山岩
西:赤色礫岩、砂岩
下流:砂岩、礫岩、泥灰堆積砂

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ>

Riesling
Müller-Thurgau
Grauburugunder
Weißburgunder
Silvaner

<黒ブドウ>

Spätburgunder
Dornfelder

【村名/畑名】

Nahetal

Rheinhessen

 

【特徴】

ドイツ最大のワイン生産地域。温暖で石灰質を含むレス土が多く、農業が盛んである。過去の栽培方法が見直され1950年代から有機農法を採用するワイン生産者が現れた。

1980年代までは甘口ワインを量産していたが、テロワールを重視する醸造家たちが2001年にMessage in a Bottleを結成し、高品質ワイン作りに取り組むようになった。リースリング、ジルヴァーナー、シュペートブルグンダーなどの素晴らしいワインが造られた。

【歴史】

ローマ時代からブドウ栽培がおこなれていた。18世紀半ばからリープフラウミルが世界的に評価を受け、高値で取引されていたが、模造品が出回るようになり1971年のワイン法で特定の個性を持つ甘口白ワインとして規定された。

リースリング、ジルヴァーナー、ミュラー・トゥルガウ、ケルナーが70%以上占めていて、残統治が規定をクリアしていればラインヘッセン以外の地域でもリープフラウミルを名乗ることができる。1980年代は輸出の約60%がリープフラウミルでドイツ=甘口ワインという状況になった。

【気候】

周囲の産地により風よ飴から守れている。

【土壌】

レス土

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ>

Riesling
Müller-Thurgau
Silvaner
Grauburugunder
Weißburgunder
Kerner

<黒ブドウ>

Dornfelder
Spätburgunder
Portugieser

【村名/畑名】

Bingen
Nierstain
Wonnegau

Hessische Bergstraβe

 

【特徴】

ドイツで最も栽培面積の少ない産地。ドイツのトスカーナと呼ばれ風光明媚で温暖なエリアである。多くのワインは地元で消費されてしまう。

産地名は「ヘッセンの山街道」という意味。
西をライン川、東をオーデン森に挟まれ、小高い丘陵地が続く南北に長い地域。北はダルムシュタットからハイデルベルクの南のヴィースロッホに至る。

【歴史】

ブドウ栽培の歴史上確認されているのは8世紀以降である。

【気候】

ドイツで最も早く春が訪れる。

【土壌】

花崗岩の風化土、黄色雑色砂岩、珪質斑岩

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ>

Riesling
Grauburugunder

<黒ブドウ>

Spätburgunder

【村名/畑名】

Umstadt
Starkenburg

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Franken

【特徴】

13生産地域の中で6番目の生産量。3つのベライヒを持つ。他の地域が甘口ワインを量産していた時でも、フランケンでは辛口ワインにこだわりを持ち、生産してきた。

この地域の独自表記で残糖4g/ℓ以下がトロッケンとされFrankisch trockenと称される。ラベル表記は認められていない。

伝統的なボトル形状のBocksbeutel(ボックスボイテル)がよく知られている。国際品種においてはブルゴーニュ型のボトルを利用することが増えつつある。

【歴史】

他の地域より、やや遅くブドウ栽培が始まる。宣教師キリアンがフランク族の支配をしていたこの地にキリスト教信仰をもたらしてから、ブドウ栽培が始まった。

史料的には8世からである。1970年代以降ミュラー・トゥルガウが普及するまでエスタライヒャーがドイツで30%を占めていた。ボックスボイテルの起源は山羊の睾丸袋または祈祷書を入れる袋に由来するなどの説がある。

【気候】

大陸性気候。夏は暑く、冬の寒さは厳しい。

【土壌】

トリアス層、雑色砂岩、コイパー、マインフィアェック、マインドライエック、シュタイガーベルト

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ>

Müller-Thurgau
Silvaner

Bacchus
Riesling

<黒ブドウ>

Domina
Spätburgunder

【村名/畑名】

Mainviereck
Maindreieck
Steigerwald

Wurttemberg

 

【特徴】

ブドウ畑はネッカー川とその支流沿いに分布している。ダイムラーやポルシェの本社があるシュツットガルトがあり、一人当たりのワイン消費量は47.5ℓで国内平均の約2倍である。生産されるワインの70%は醸造組合が造っている。

シラーヴァイン(ヴュルテンベルク産の赤と白の葡萄を最初から混ぜて造られる:ロートリング)は有名。

【歴史】

中世では、主要なワイン産地の一つであった。三十年戦争で畑は激減したが、18世紀以降に回復。ハプスブルク家への帰属意識が高く、品種構成にも影響している。

【気候】

年間平均気温9.6-10.6℃、年間降水量725-760mm、年間日照時間1640-1685時間

【土壌】

貝殻石灰岩、コイパー、ギプスコイパー

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ>

Riesling

<黒ブドウ>

Trollinger
Lemverger
Schwarzriesling
Spätburgunder

【村名/畑名】

Kocher-Jagst-Tauber
Württermbereich Unterland
Oberer Neckar
Remstal-Stuttgart
Württermbergischer Bodensee
Bayerischer Bodensee

Baden

【特徴】

ドイツで3番目に大きなワイン産地である。9つのベライヒがあり、それぞれ特徴のあるワインを産出している。シュペートブルグンダーが34%とブルグンダー系の産地のイメージが強いが北部ではリースリングも盛んに栽培されている。

多様なワインを産しており、比較的温暖なためドイツ土着品種以外の栽培も多い。
EUのゾーン分類ではドイツで唯一ブルゴーニュやアルザスと同じBゾーンに入っている。
赤、ロゼが約40%を占める。シュペートブルグンダーが国際的に評価察れている。

【歴史】

ボーデンゼーの修道院から8世紀のブドウの種が見つかっている。20世紀後半、カイザーシュトゥールやブライスガウで大規模な耕地整理が行われ、トラクターで作業できる広大なテラス上のブドウ畑に整地された。

しかし湿気や冷気、大雨被害などにより元の斜面に戻した生産者もいる。

【文化・経済】

フランスに接しているためアルザスの食文化の影響が大きい。ワインは質より量という状況であったが、近年品質が向上している。

【気候】

ヴォージュ山脈とジュラ山脈の間に「ブルゴーニュの門」と言われる低地があり、そこから暖かい風が流れ込み、南部に影響を与えている。

【土壌】

貝殻石灰質岩、レス土+雑色砂岩、斑岩

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ>

Müller-Thurgau
Grauburugunder
Weißburgunder
Gutedel
Riesling

<黒ブドウ>

Spätburgunder

【村名/畑名】

Badische Bergstraße
Kraichgau
Tauberfranken
Ortenau
Kaiserstuhl
Breisgau
Markgäflerland
Bodensee

Sachsen

 

【特徴】

ドイツ最東端の生産地。大半のブドウ畑はエルベ川沿いにある。緑豊かで風光明媚な地域である。ザクセンコイレと呼ばれるボーリングのピンのような形のボトルと交配品種ゴルトリースリングが特産物である。

【歴史】

10世紀にはブドウ栽培は行われていたが、寒冷期を境に衰退した。またフィロキセラ被害後、60haまで減ってしまった。

【気候】

緯度の割には温暖な気候。大陸からの気候的影響を受ける。

【土壌】

粘板岩主体、花崗岩

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ>

Müller-Thurgau
Riesling
Weißburgunder
Grauburugunder

<黒ブドウ>

Spätburgunder

【村名/畑名】

Mansfelder Seen
Schloss Neuenburg

Saale-Unstrut

 

【特徴】

ドイツ最北(北緯52度)のワイン産地。旧東独時代は国営農場であった。機械化に対応したため、ブドウ樹の本数が少なく、生産量は多くなかった。小規模農家が多い。

エルベ川の支流、ザーレ川とウンストルート川地域。主にミュラー・トゥルガウ、ジルヴァーナからソフトで果実味のある辛口の白ワインを生産。
ウンストルート川流域はフランケン中心地帯と土壌の質が似ている。

【歴史】

10世紀には部土栽培は実施されていた。19世紀関税の影響やフィロキセラ被害などにより衰退してしまった。東西ドイツ統一後、個人系の醸造所が増えている。

【気候】

大陸や山脈の影響で温暖な気候である。

【土壌】

貝殻石灰質、雑色砂岩

【主要ブドウ品種】

<白ブドウ>

Müller-Thurgau
Weißburgunder
Riesling
Silvaner
Bacchus
Grauburugunder

<黒ブドウ>

Dornfelder
Portugieser

【村名/畑名】

Elstertal
Meissen

 

(以上)


※参考文献
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)
 
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