ワインに関する一般的な情報について勉強します。
化学式が出てきたり、成分に関することなど学問的なパートですが、
試験にもよく出てくるのでポイントを押さえてしっかり覚えましょう!
学習のポイント
- 発酵メカニズム
- 成分の変化(酸の変化、量)
- ビオワインの各種定義
ワインの定義
【酒類】
酒類:15℃においてアルコール分1度以上の飲料(日本酒税法)
分類:酒類→醸造酒→果実原料(ワイン、シードル)
発酵について
発酵メカニズム(ジョゼフ・ルイ・ゲイリュサック)
(ブドウ糖➡エチルアルコール+二酸化炭素)
ルイパストゥールによって酵母による発酵メカニズムが解明される。
果汁の中の糖分を酵母のアルコール発酵によってエチルアルコールと二酸化炭素が生成。
この二酸化炭素を封じ込めたものがスパークリングワインとなる。
酵母は糖分をバクバク食べてアルコールを作り出しますが、アルコール度数が16,7%を超えてくると自爆します。なのでこのアルコール度数以上にはなりません。アルコール度数の高い飲料とする場合は酒精強化します。
ワイン中の主な有機酸
よく出る
発酵前(ブドウ由来) (g/L) |
発酵後(発酵由来) (g/L) |
|
---|---|---|
酒石酸/1.5~4 | ➡ | コハク酸/0.5~1.5 |
リンゴ酸/0~4.0 | ➡ | 乳酸/0.1~3.0(MLF) |
クエン酸/0~0.5 | ➡ | 酢酸/0.1~0.3 |
- アルコール発酵することによりさんが上記表のように酸が変化します。
- 酒石:酒石酸とカリウムなどが結合した物質
- 上記の有機酸がワインの爽やかさや後味の切れのよさとなっている。
ワインの風味
ワインの風味➡香り+味となる。
香りはアロマとブーケに分けられ、アロマはさらに第1、第2と分類される。ブーケを第3アロマと呼ぶ。
よく出る各アロマの定義は
第1アロマ:原料となるブドウ由来の香り
第2アロマ:発酵過程で生成される香り
第3アロマ:タンク、樽で熟成されたときに生成される香り
果実のワインに対する役割
部位別、ワインへの役割
部位名 | 役割 |
果実 | 果肉の部分は、アルコールのもとになる糖を供給 |
果皮 | 赤ワインでは、色素やタンニンの供給元 |
蝋質 | 果汁の水分蒸発を防ぐ |
梗 | タンニンや苦み成分を供給 |
種子 | タンニンや苦み成分を供給 |
ビオワインの整理
有機栽培、自然派、無添加・・・・など似たような言葉がいくつかあり、栽培に関する規定、醸造関する規定されている。
<有機農法>(EUでの定義)
- 農薬使用禁止
- 肥料は認証を受けたものを使用
- 遺伝子組み換え、放射線処理禁止
- 病害虫に対して、ボルドー液、天敵となる昆虫の使用
- 1~4を作付け前に2年間、最初の収穫まで3年以上実施
- 公的機関による認証取得要
- 定期的な検査の実施
<バイオダイナミクス(ビオディナミ)>
- 上記有機農法+天体の動きと関連した栽培
- 農薬は使わず、プレパラシオンを使用
- 認証団体デメーターのロゴをラベル記載
<無添加ワイン>
- 醸造過程で酸化防止剤を使用しないワイン
- ブドウ栽培における制約なし(化学肥料の使用可)
- 農薬は使わず、プレパラシオンを使用
ワインの分類
<スティルワイン>
ブドウ果汁を発酵させ、炭酸ガスによる発泡性を有しないワインのことを言う。
<スパークリングワイン>
発泡性を有したワインで20℃におけるガス圧が49kPa以上の炭酸ガスを有するワインのことを言う
二次発酵の方式の違いにより、瓶内二次発酵とシャルマ方式(大型タンク内で二次発酵)に分けられる。
<フォーティファイド・ワイン>
ワインの醸造工程中に40度以上のブランデーを添加し、アルコールを15~22度程度まで高め、味にコクを持たせ、保存性を高めたワインのことを言う。
<フレーヴァードワイン>
ワインに薬草、果実、甘味料、エッセンスなどを加え、独特な風味を与えたもの(ヴェルモット、サングリアetc)。
最後に
なんとなく聞いたことのある用語が多々あったと思いますが、しっかり区別できるようになっておきましょう。
また有機酸に関する出題頻度は高いので、どの酸がどの酸に変化するのか、酸の量はいくらなのかなどきっちり整理しておく必要があります。
それ以外はすんなり頭に入ってくるのではないでしょうか?
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)
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