ルクセンブルクのエクセレント対策として、本記事では、地図は原語表記、各AOPの詳細説明を追加しました。
ワインの概要
特徴
フランス、ドイツ、ベルギーに囲まれた国で「フランスの質とドイツの量を兼ね備えた美食の国」と言われる。
国土面積は神奈川県と同じくらいである。
一人当たりのGDPは世界トップである。ワイン造りの歴史は2000年以上ある。政府自らもブドウ畑を所有し、外交にも利用されている。
ワイン造りはモーゼル川を中心にお粉られている。9割以上は白ワインである。瓶内二次発酵のスパークリングワイン造りの歴史も長く、「クレマン・ド・ルクセンブルク」として販売されている。
ワインの特徴はフレッシュ&フルーティーが主流であったが、近年樽熟成を行い、複雑さを求める生産者も出た来た。近年品質向上のために収量は減少傾向にある。
ワイン消費は44ℓと世界のトップクラスだが、近隣諸国からの買い付けが寄与しているためである。
1925年にブドウ・ブドウ酒機構(Institute Viti-Vinicole)が設立され、1935年に国産製品認証制度(Marque Nationale)の開始により、ワインもブランドとして認識され始めた。
1886年にシャンパーニュ製法が伝えられた。第二次世界大戦までは醸造所は稼働していた。
シャンパーニュで経験を積んだ醸造家ジャン・ベルナール=マッサールがモーゼル川沿いで瓶内二次発酵のスパークリングワインを作ることを思い立ち、1921年に醸造所を設立した。
呼称制度の規定により、国内産のブドウを用いることが義務付けされているのでリースリングやピノノワールやシャルドネが減量となっている。
歴史
- 古代ローマ時代よりワイン作りは始まる
- 19世紀から白ブドウの栽培が盛んになる
- 当初、ドイツワインの混醸用として生産される
- 1925年ブドウ・ブドウ酒機構(Institute Viti-Vinicole)設立
- 1935年に国産製品認証制度(Marque Nationale)の開始
地理的条件
地図
気候
- 海洋性気候(大陸性気候含む)
- 夏や冬は極端に温度が上がったり下がったりしない
- 平均気温9.6度、降雨量725mm、日照時間1568時間
土壌
モーゼル川南部:砂や粘土、炭化物、マールなどで構成される泥土岩(Keuper・コイパー)
モーゼル川北部:貝殻石灰岩(Muschelkalk・ムッシェルカルク)
主要ブドウ品種
No | 白ブドウ | 黒ブドウ |
---|---|---|
1 | リヴァネール | オーセロワ |
2 | ピノブラン | ピノノワール |
3 | リースリング | - |
4 | シャルドネ | ー |
地元料理
4割が移住者のため、多様性のある食文化がある。
シュークルート、ソーセージパイなどのドイツ、アルザスの郷土料理、ボーヌシュルップ、ジュッド・マット・ガールドボーヌンが家庭料理の定番となっている。
レストランなどでは、リースリングワインで風味付けした肉汁のジュレが入ったパテのパイ包み「パテ・オー・リースリング」が名物料理である。
ルクセンブルクのワイン法
2015年に新AOPを導入。生産地と収穫高による格付けが行われるようになりました。
最大収穫高:100hℓ/ha(リヴァネールとエルブリングは115hℓ/ha)
分類
【Cote de(コート ドゥ)】
格付けされていないぶどう畑で生産されたワインや、異なる地方のワインをブレンドして造る。
【Coteaux de(コトー・ドゥ)】
認定された地域内で生産したぶどうを60%以上使用したワイン。
【Lieu-dit(リューディ)】
原産地呼称ワイン:原産地統制委員会が設置されている地区で栽培された認可品種のぶどうを原料とし、厳しい条件を満たしてつくられた上質ワイン。現在54の地域が指定されている。
(以上)
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)
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