エクセレンス　【スペイン　北部・大西洋側】

スペイン　北部・大西洋側(ガリシア)のエクセレント対策として、本記事では、地図は原語表記、DOCGに加えDOCの説明も追加しました。

スペインの概要

特徴

スペインはワイン用ブドウ栽培面積が世界一である。ワイン生産量は世界第3位。カステージャ・ラ・マンチャ地方で全体の49.5%が生産される。
全国でヴァラエティ豊かなワインが造られている。

歴史

• 紀元前１１００年ころからへレスや地中海沿岸でワイン作りが始まる。
• １９世紀後半のフィロキセラ被害により、リオハなどでのワイン作りが盛んになる
• ２０世紀、市民戦争などでワイン産業の低迷時期
• 21世紀に入り、世界的に注目を集めるワインが次々に誕生している

地理的条件

地図

気候

土壌

 

主要ブドウ品種

 

スペインのワイン法

分類

【Vino de Mesa（ヴィノ・デ・メサ）】
格付けされていないぶどう畑で生産されたワインや、異なる地方のワインをブレンドして造る。

【Vino de la Tierra（ヴィノ・デ・ラ・ティエラ）】
認定された地域内で生産したぶどうを60％以上使用したワイン。

【D.O.　Donominacion de Origen（デノミナシオン・デ・オリヘン）】
原産地呼称ワイン：原産地統制委員会が設置されている地区で栽培された認可品種のぶどうを原料とし、厳しい条件を満たしてつくられた上質ワイン。現在54の地域が指定されている。

【D.O.C.a　Donominacion de Origen Calificada（デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ）】
特選原産地呼称ワイン：INDO（原産地呼称庁）の厳しい生産基準が設けられている地域でつくられた、スペインで最高クラスのワイン。現在D.O.C.として認められているのはリオハとプリオラトのみ。

【V.P.　Vino de Pago（ヴィノ・デ・パゴ）】
単一ブドウ畑限定ワイン。独自の特徴あるテロワールがあり、限定された面積の単一のブドウ畑で栽培、収穫されたブドウのみから造られるワインに認められる原産地呼称。

熟成分類

 

ＣＡＶＡ　D.O.

世界を代表するスペイン産の高品質なスパークリングワイン
（カバは製法による分類（瓶内二次発酵）で、限定された地域の指定はありません。）

【醸造方法】
カバと名乗るためにはシャンパーニュと同じように瓶内第二次発酵によって造られ、一定の貯蔵年数が必要です。最低９カ月の貯蔵熟成が義務付けられています。しかし、一般的には１年から２年、高級品では３年から４年の貯蔵熟成が行われています。長く熟成させるほどに泡が細やかに、安定したものとなり、香りや風味も立ちやすくなります。　

北部・大西洋地方

Rioja

 

【特徴】

マドリッドから北北東250km。エブロ川の支流がオハ川で、Rio Ojaからリオハとなる。アルタ、アラベサ、オリエンタルの３つのサブゾーンからなる。

【歴史】

フィロキセラ被害のあと、フランスから生産者や業者がリオハに押し寄せた。その際フランスのブドウ、醸造技術がもたらされた。リスカル侯爵により、小樽熟成がもたらされた。伝統的にはアメリカンオークが持ち入れられ、白ワインも樽熟を行う。

1980年代後半から伝統的スタイルに対し、フレンチオーク新樽を使い、熟成期間を短縮する動きが出始め、話題になったが、近年本来のリオハらしいエレガントなスタイルに戻る動きも出始めている。

【文化・経済】

リオハには、いくつもの修道院があるが、その中でも重要なサン・ミリャン・デ・ラ・コゴーリャは歴史遺産に登録されている。19世紀末から20世紀初頭にはアロの大手生産者や協同組合がけん引してきたが、近年アラベサを中心にコセチェロス(零細なブドウ栽培農家)が興した中小規模のボデガが増えている。

【気候】

ビスケー湾からの冷たい風により夏の暑さは厳しくなく、冬も穏やかな気候が特徴である。オリエンタルは地中海性気候の影響を強く受ける。

【土壌】

アルタ→鉄分の多い粘土質や沖積土壌。アラベサ→粘土質と石灰岩、

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　Viura,Garnacha Blanca,Malvasia

＜黒ブドウ＞　：　Tempranillo,Garnacha,Mazuelo,Graciano

 

【地元料理】

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【リオハのワイン規定(2017年)】

Navara

【特徴】

ピレネー山脈に近い。州都はパンプローナ。

【歴史】

ナバーラ王国はかつてフランス側にも領土があった。その際ブドウや醸造技術が持ち込まれた。

フィロキセラ被害で畑は激減、5000→700ha。復興はなかなか進まず、協同組合を主体としてバルクワインを主に生産していた。

1950年代にロゼワインの輸出に成功し、その後ロゼワインの産地として認知されるようになる。

次に国際品種にの赤ワインで国際市場に、打って出るため研究がすすめられ、その後ナバーラDOの品種に認めらるようになった。

【文化・経済】

巡礼者の往来が多く、文化の交流、伝搬も盛んである。フランシスコ・ザビエルの出身地でもある。

パンプローナは「牛追い祭り」でも有名な街、また山口市と姉妹都市である。ワインはコスパの高いものが多く、ホテル・レストラン業界で原産地呼称のついたワインの売り上げではTop３に入る。

【気候】

北部：海洋性気候、中部：地中海性気候、南部：大陸性気候

【土壌】

泥灰土、粘土質、シルトローム、砂質、石灰岩

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　Garnach Blanca,Viura,Malvasia,Chardonnay

＜黒ブドウ＞　：　Tempranillo,Garnacha,Cavernet Sauvignon

【地元料理】

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Pago de Arinzano V.P.

名門チビーテ家所有。「セニョリオ・デ・アリンサノ」というエステート内の一部の畑133haが対象である。

Prado de Irache V.P.

ボデガス・イラチェが所有する畑。

Pago de Otazu V.P.

ボデガ・オタスが所有するブドウ畑の一部107ha。

Aragon

【特徴】

ピレネー山脈のふもとからメセタの東側まで広がる。州都はサラゴサ。

【歴史】

アラゴン・カスティージャ連合王国に属していた。レコンキスタ後、スペイン王国となった。

【文化・経済】

イスラム文化の影響を受けたムデハル様式の建築群があり、ユネスコ世界遺産に登録されている。農業は経済全体の4.3%。ワイン産業は協同組合主導である。

【気候】

大陸性気候

【土壌】

石灰質

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　Viura,Malvasia

＜黒ブドウ＞　：　Garnacha,Carinena

【地元料理】

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Campo de Borja

【特徴】

ナバーラ州と隣接。栽培面積の70%がガルナッチャ。ボディとアルコールがしっかりした赤ワインが主に生産される。

【気候】

大陸性気候

【土壌】

石灰岩を母岩に、標高により異なる土壌が分布する。

Cariñena

【特徴】

カリニェナの原産地。現在はガルナッチャのほうが生産が多い。カーボニック・マセレーションや甘口、微発泡のものがある。

【気候】

大陸性気候

【土壌】

赤茶けた石灰岩で覆われている。

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　

＜黒ブドウ＞　：　ガルナッチャ、カリニャン

Calatayud

【特徴】

地名はイスラム教徒の城「カラト・アユブ」に由来する。ガルナッチャが54%を占め、フレッシュな若飲みタイプから古木による熟成タイプ、ブレンドタイプが造られる。

【気候】

大陸性気候

【土壌】

石灰質に小石

Somontano

【特徴】

地名は「山脈」という意味。1984年にDO認定。1990年代には、大規模投資が行われ、最新設備、技術を導入し、国際市場を意識したワイン作りが進められた。品質も向上した。地元品種のほか外来品種も認められている。

【気候】

大陸性気候

【土壌】

石灰分の多いやせた土地

Pago Ayles VP

サラゴサ。46ha。ボデガ・セニョリオ・デ・アイレスの大農園の畑の一部が認められた。

Pais Vasco

【特徴】

スペイン北部。リオハDOCa、リオハ・アラベサはバスク州に属する。歴史的なつながりからイスキロオタ(仏・グロマンサン)、ムネ・マハッツァ(フォール・ブランシュ)などフランス側と共通する品種がある。

【歴史】

フランコ独裁政権下の弾圧の歴史から、現在も独立機運が高い。文化・経済：バスク語が公用語。スペインの中でも最も経済が発展し、高いGDPを誇る。

製造業、金融業が主な産業。ビルバオ港からリオハのワインを輸出していたことから、裕福な実業家が多い。

【文化・経済】

バスク語が公用語。エネルギー、製造などの工業、金融業が主たる産業。

【気候】

海風の影響を受け、穏やかな気候。斜面にあるブドウ畑の風通しを良くするためエンパラードという棚仕立てが主流である。

【土壌】

粘土質、石灰質

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　Hondarrabi Zuri

＜黒ブドウ＞　：　Hondarrabi Beltza

【地元料理】

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Chacoli de Getaria(Getariako Txakolina)

【特徴】

サンセバスチャンの西。オンダラビ・スリが95%を占める。酸味と塩味を思わせるミネラルさのあるチャコリはシーフードとの相性が良い。

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　Hondarrabi Zuri

＜黒ブドウ＞　：　Hondarrabi Beltza

Chacoli de Bizkaia
(Bizkaiko Txakolina)

【特徴】

ビルバオ周辺。ゲルニカとその周辺にブドウ畑とボデガが多い。

白ワインが85-90％を占める。ゲタリアよりアルコール度数が高いことから深見、コクがあり、全体の生産量も少ないことから価格も高めである。バカラオや甲殻類との相性が良い。

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　Hondarrabi Zuri

＜黒ブドウ＞　：　Hondarrabi Beltza

Chacoli de Alava
(Arabako Txakolina)

【特徴】

アラバ県北部、5市町村。オンダビラ・スリが70%を占める。

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　Hondarrabi Zuri

＜黒ブドウ＞　：　Hondarrabi Beltza

Galicia

【特徴】

スペイン北西部。州都はサンティアゴ・デ・コンポステーラ

【歴史】

9世紀に聖ヤコブの遺骨が見つかり、キリスト教徒三大聖地のひとつとなった。

【文化・経済】

ガリシア語が公用語。漁業が主な産業。リアス式海岸の入り江でカキやムール貝の養殖も盛んにおこなわれている。

【気候】

海洋性気候

【土壌】

変成岩と花崗岩

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　Albarino,Treixadura,Godello

＜黒ブドウ＞　：　Mencia

【地元料理】

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Rias Baixas

【特徴】

「リアス」は入り江、「バイシャス」は下部や南部というガリシア語の意味。

ミーニョ川沿いに5つのサブゾーンがある。栽培の96％はアルバリーニョである。その他ロウレイロ、トレイシャドゥーラ、カイニョ、トロンテスなどがある。

1980年代に組合が最新の設備技術を導入したことでフルーティーな白い花などフローラルなアロマを持つフレッシュな白ワインが生産されている。

スペイン高級ワインの一つとなった。樽醸造の白、赤、スパークリングワインが認められている。魚介類との相性が良い。

【気候】

海洋性気候

【土壌】

変成岩と花崗岩

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　Albarino,Treixadura,Godello

＜黒ブドウ＞　：　Mencia

【サブリージョン】

Eibeira do Ulla

Val do Salnes

Soutomajor

Condado do Tea

O Rosal

 

Valdeorras

【特徴】

「黄金の谷」と意味を持つ。シル川などの渓谷の300-700mの斜面上にブドウ畑がある。ブドウ品種は白黒とも地元品種が中心。

【気候】

海洋性気候＋地中海性気候

【土壌】

粘土質、花崗岩質、粘板岩質

Riveira Sacra

【特徴】

「黄金の谷」と意味を持つ。シル川などの渓谷の300-700mの斜面上にブドウ畑がある。ブドウ品種は白黒とも地元品種が中心。

【気候】

海洋性気候＋地中海性気候

【土壌】

粘土質、花崗岩質、粘板岩質

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　ゴデーリョ

＜黒ブドウ＞　：　メンシア

Monterrie

【特徴】

州最南部。タメガ川が南北に走る。フルーティーでフレッシュなワインが多い。

【気候】

地中海性気候＋内陸性／海洋性気候

【土壌】

花崗岩質に砂質、粘板岩、粘土質の3つに分けられる。

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　ゴデーリョ

＜黒ブドウ＞　：　メンシア

Riveiro

【特徴】

修道院を中心にブドウ栽培、ワイン作りが行われていた。

近年は地元品種の白のトレイシャドゥーラの栽培が盛んで、香り豊かなエレガントなワインになる。黒ブドウではソウソンが多い。単一品種だけでなく、ブレンドとしても使用される。白ワインが85%を占める。甘口のトスタドはリベイラの特産である。

【気候】

海洋性気候＋地中海性気候

【土壌】

花崗岩質で石ころが多い。

【主要ブドウ品種】

＜白ブドウ＞　：　トレイシャドゥーラ

＜黒ブドウ＞　：　

 

 

 

(以上)

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