ウルグアイのエクセレント対策として、本記事では、地図は原語表記、各DOPの詳細説明を追加しました。
最近教本に追加された国なので、これから数年は試験問題に出やすい国の一つかと思います。
また2020年のフォローアップセミナーでも詳しく解説され、協会としても注目のワイン産地であると考えられます。
ウルグアイの概要
特徴
首都モンテビデオはラプラタ川左岸に位置する。
ワイン生産量はアルゼンチン、チリ、ブラジルに次ぐ4番目である。赤ワインは全体の80%生産されている。
ウルグアイは世界一の牛肉消費国で年間43.2kgである。食べ方はパリージャで焼き上げるアサードが代表的である。
ワインは国内で90%が消費される。
歴史
17世紀にワイン作りが始まる。植民地時代にスペインからブドウ栽培、ワイン作りが伝えられた。
最初はモスカテルが栽培された。1873年にフランシスコ・ヴィディエラがヨーロッパからヨーロッパ系品種の苗木を持ち帰った。Folle Noireの栽培が特に成功していた。現在はVidiellaというシノニムで広く知られている。
また同時期にバスク地方の移民であったパスカル・アリアゲがアルゼンチンからLordaという品種、現在の Tanaを持ち込み栽培した。この栽培にも成功し、ウルグアイを代表する品種となった。
1965年ウルグアイ技術研究所(LATU=Laboratorio tecnologico del Urguay)が設立され、輸出されるワインの科学分析と官能検査が行われるようになり品質保証が強化された。
1987年国立ブドウ栽培ワイン醸造協会(INAVI=Instituto Nacional de Vitivinicultura)が設立された。INAVIの活動により輸出量は増加してきている。
- 紀元前1100年ころからへレスや地中海沿岸でワイン作りが始まる。
- 19世紀後半のフィロキセラ被害により、リオハなどでのワイン作りが盛んになる
- 20世紀、市民戦争などでワイン産業の低迷時期
地理的条件
地図
気候
- 温暖湿潤気候(日本と似た気候)
土壌
99種類の土壌が存在しているといわれている。
カネロネスは石灰粘土質土壌である。
主要ブドウ品種
No | 白ブドウ | 黒ブドウ |
---|---|---|
1 | ユニブラン | タナ |
2 | ソーヴィニヨンブラン | モスカテルアンブルゴ |
3 | シャルドネ | メルロ |
4 | ヴィオニエ | カベルネ・ソーヴィニヨン |
5 | モスカテルブランコ | カベルネフラン |
ウルグアイのワイン法
分類
【VCP:Vino de Calidad Prefernte(ヴィノ・デ・カリダ・プレフレンテ)】
優良品質ワイン。以下の条件が必要
・ヴィティス・ヴィニフェラ種のぶどうを使用
・最低アルコール度数10.5度以上
・750ml以下のガラス瓶で販売
・収穫年、ブドウ品種を表示する場合は、85%以上使用していること
【VC:Vino Comun(ヴィノ・コムン)】
テーブルワイン(紙パック、デミジョンボトル)
主要ワイン産地
19県のうち15県でワインが生産されています。ここでは、上位5県の説明をします。(その他重要な県は、検討後追記していきます。)
Canelones
【特徴】
首都モンテビデオの北に位置する。国内最大のワイン産地。国内ブドウ面積の64.1%を占める。赤が78%、白が22%の割合である。
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> : ユニ・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ
<黒ブドウ> : タナ、モスカテル・アンブルゴ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン
Montevideo
【特徴】
ウルグアイの首都。ラプラタ川河口にぶどう畑が広がる。国内ブドウ栽培面積の11.8%を占める。ウルグアイ名物牛アサードレストランが多数ある。赤ワインが中心。
【気候】
比較的温暖な気候
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> : ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、リースリング
<黒ブドウ> : タナ、モスカテル・アンブルゴ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン
Colonia
【特徴】
ウルグアイ第3の産地。街は世界遺産に登録されている。ラプラタ川対岸にはアルゼンチンのブエノスアイレスがある。
赤が84%でタナ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど。
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> : ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、リースリング
<黒ブドウ> : タナ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン
Maldonado
【特徴】
リゾートビーチのPunta del Este、カルロス・パエス・ビラローが設計したホテルがあるなど観光地として有名。国内で唯一ブドウ畑の栽培面積が増加している。
ワインスペクテーターの世界トップ100(2017)にウルグアイで初めて選出されたBodega Garzónは注目を集めている。
赤はタナが主体、白はソーヴィニヨンブラン。
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> : ソーヴィニヨンブラン
<黒ブドウ> : タナ
Salto
【特徴】
北西部、アルゼンチンと接する。海からの影響を強く受ける地域。土壌は小石。ほぼ赤ワインのみ。
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> :
<黒ブドウ> : タナ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロなど
Paysand
【特徴】
サルトの南西部に位置する。ウルグアイ川の肥沃な土壌がある。赤81%でタナ、アンブルゴ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ。白19%でユニブラン。
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> : ユニブラン
<黒ブドウ> : タナ、アンブルゴ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ
Rivera
【特徴】
ブラジルに接するエリア。夏は暑く、冬は温暖でブドウの育成期間も短い。
赤80%でタナ、カベルネ・ソーヴィニョン。白20%でソーヴィニヨンブラン、シャルドネ。この地域ではArinarnoaという品種があるが、タナとカベルネ・ソーヴィニョンの交配種である。
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> : ソーヴィニヨンブラン、シャルドネ
<黒ブドウ> : タナ、カベルネ・ソーヴィニョン
(以上)
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)
コメント