南米を代表するワイン生産国ですが、日本ではチリほどメジャーではないかもしれません。
個人的なイメージは、ステーキ&マルベック!
そんなイメージのアルゼンチンですが、試験対策的には覚える範囲はあまり広くないので重要なポイントを押さえて、片付けてしまいましょう!
2020年度版は、全面改訂されています。出題される可能性非常に高いと思います。
学習のポイント
- アルゼンチンのワイン事情
- 歴史上の人物
- ワイン法の規定をチェック
- 呼称認定地区3つを覚える
- ワイン産地の位置を覚える。新しくアトランティカが追加。
アルゼンチンのワインの歴史
主な流れ
- スペインからチリにワインが伝わり、その後アルゼンチンに伝わる
- 主要産地のメンドーサとサンファンは1500年代中盤から終盤にかけて栽培開始
- 1816年:スペインから独立
現在の主要産地のメンドーサとサンファンは1500年代中盤から終盤にかけて栽培が始まったとされます。
歴史上の人物
Luis Tirasso
20歳のとき、メンドーサのビラ・ムエバ・デ・グアイマジェンに入植。1891年にボデガス・サンタ・アナを創業する。ぶどう畑はサン・ラファエル。
Edmundo James Norton
1865年英国生まれ。1895年にボデガ・ノートンを興した。
Antonio Pulenta
20世紀始めにメンドーサに移住。サンフアンにボデガを建て、1941年にペニャ・フロールを興した。
Nicolas Catena
イタリア・マルケからの移民。メンドーサのリバダビアにニコラス・カテナを創業した。
Valentin Bianchi
1901年にイタリアから移住。メンドーサのワインをブエノスアイレスへの運搬事業。
Enrique Tittarelli
1915年イタリアからメンドーサへ入植。リバダビアとマイプーのぶどう畑を拓く。
Juan de Dios Correas
19世紀末にメンドーサに入植。後にナバロ・コレアスが誕生する。
Sami Flichman
ポーランド移民マイプーのバランカスを拓き、1910年にワイナリー設立。
Humberto Canale
パタゴニアのへネラル・ロカに初めてブドウ樹を植えた。1913年。
Davi Michel
1860年、サルタのカファジャテにブドウ畑を開梱。ガブリエラ・トリノと結婚してボデガ・ミッシェル・トリノを創業する。
Arnaldo Etchart
1938年、サルタのカファジャテにワイナリー設立
地理・気候条件
地理(地図)
気候条件
- 大陸性気候(温暖、乾燥、降雨が少ない)
- 乾燥した気候のおかげで病害が少ない
- アンデス山脈を越えてくるゾンタ風が乾燥した暖かい風が気候条件に大きく寄与
アルゼンチンのワイン法
INV(国立ブドウ栽培醸造研究所Instituto Nacional de Vitivinicultura)
第17条で分類を規定
Vinos Gemuinos
熟した新鮮なブドウもしくは、新鮮なブドウ果汁をアルコール発酵したスティルワイン。収穫年ごとに収穫ブドウの最低ボーメ度を決定する。
Vinos Especiales
【カテゴリーA】
アルコール分12.5%以上で潜在アルコール分15°GL以上のもの
【カテゴリーB】
醸造行程でブドウを作ったアルコールを加えた結果、アルコール分が15%以上のワイン
【カテゴリーC】
ワインに濃縮果汁、ミステラ、アロペ(ブドウ果汁加熱濃縮)、もしくはブドウで作ったアルコールを加え、総潜在アルコール分15°GL以上のもの
ワインの分類
【Vinos Espumosos】
密閉容器内で二次発酵させたスパークリングワインで20°で4気圧以上有するもの
【Vino Gasificado】
スティルワインにガスを注入したスパークリングワイン。
【Vino Compuesto】
ワインに芳香物質や甘味を加えたもの。ヴェルモット、キニーネなど
【Chicha】
アルコール発酵の途上の甘いワイン。アルコール分が5%になる前に発酵を止め、糖分を最低80g/リットル以上含有しているもの
原産地呼称
法律25163(ワインとブドウ原料のスピリッツに関して)は1999年10月6日に施行。
IP/IG/DOCワインに分類し、品質管理の厳格化、産地名称の保護を目的としている。
IPワイン
Indicación de Prosendencia (原産地)
日の出目差に相当するもの。当該地のブドウを80%以上使用していれば、産地名を表示できる。品種に関する規定はない。
IGワイン
Indicación de Geografica (地理的表示)
特徴ある限定された産地名。産地と醸造地が当該のIG域内にある必要があり、使用ブドウ品種は当該地域で収穫し、定められたビティスヴィニフェラ種に限られる。
100㍑のワインを作るためにぶどうを130kg使用しなければならない。
復数のIGをブレンドした場合は、包含するIGの表示となる。
DOCワイン
Denominación de Origen Controlada
当該地で収穫したヴィティスヴィニフェラ種を当該地で規定の方法で醸造、瓶詰めを行う必要がある。
当該のDOCが定めた植樹密度、選定法で栽培し、単位当たりの収量と搾汁率、最低アルコール度数など規定されている。
現状DOCはルハン・デ・クージョとサン・ラファエルのみ認定されている。
熟成関する表示
【Reserva】
赤ワインはオーク樽で最低1年熟成、白ワインはオーク樽で最低6ヶ月熟成
【Gran Reserva】
赤ワインはオーク樽で最低2年熟成、白ワインはオーク樽で最低1年熟成
※オーク樽の容量規定なし。オークチップ、オークステイブの使用は認められている。
生産年の表示
輸出向けのワインは基準をEUに合わせている。ブレンドしたワインのひとつの品種が85%以上あれば、その品種、生産年を記載することができる。
主要ブドウ品種
No | 白ブドウ | 黒ブドウ |
---|---|---|
1 | ペドロジメネス | マルベック |
2 | トロンテス | セレサ |
3 | シャルドネ | ボナルダ |
4 | カベルネ・ソーヴィニヨン | |
5 | シラー |
主要産地
中央西部
<メンドーサ州>
70~75%のワインを生産する
マルベックを中心に様々な品種が育てられる
【ルハン・デ・クージョ】
白ぶどう:ペドロヒメネス、シャルドネ他
黒ぶどう:マルベック
タイプ :白・赤
特 徴 :DOに認定
【サン・ラファエル】
白ぶどう:シュナンブラン
黒ぶどう:マルベック、ボルナダなど
タイプ :白・赤
特 徴 :DOに認定
【ウコ・ヴァレー】
白ぶどう:シャルドネ
黒ぶどう:マルベック、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー
タイプ :白・赤
特 徴 :海抜900-2000mで冷涼な産地。
PiPA→パラへ・アルタミラの12の生産者からなる団体。著しい特徴を持つことで認証を得られる。
<サン・ファン州>
【サン・フアン】
白ぶどう:シャルドネ、シュナンブラン、セミヨンなど
黒ぶどう:タナ、シラー、カベルネソーヴィニヨンなど
タイプ :白・赤
特 徴 :メンドーサに次ぐ、2番めに大きな産地。シラーは国際的な評価を受けている
北部
<ラ・リオハ州>
太平洋からの地理を越えてきた風ゾンタ風
【バジェス・デ・ファマティナ】
白ぶどう:トロンテス・リオハーノ、モスカテル・デ・アレハンドリア
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン、シラー
タイプ :白、赤
特 徴 :ー
南部(パタゴニア)
【リオ・ネグロ】
白ぶどう:ソーヴィニョン・ブラン
黒ぶどう:ピノノワール
タイプ :白・赤
特 徴 :南部の涼しい気候を利用したブドウ催場が特徴
アトランティカ
ワインズ・オグ・アルゼンチンにおいて、新たに4つ目の生産エリアとしてあとランティが追加された。
主な産地はブエノスアイレスのチャパドマラルとビジャ・ベンタナである。(IG一覧より)
最後に
2020年度版は全面改訂され、ボリュームも増えています。
しっかり読み込み、勉強していきましょう!
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)
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