フランスワインのメイン生産地であるボルドーです。そのボルドーでは5大シャトーやサンテミリオンなどの高級ワインが生産されています。
ボルドーはシャトー格付け、AOCなど出題頻度の高いエリアなので、試験対策的にも、ワイン好きとしてもしっかり知識を身につけたいところです。
ボルドーの概略をつかみ、そのあと格付けシャトーを覚えることに注力していかなければなりません。
学習のポイント
- ボルドーのメインはシャトー格付けを覚えることです。(次回の投稿)
聞き慣れないシャトーの固有名詞を100個前後覚えなければなりません。 - 各AOC毎のタイプを問われます。(赤のみのAOCは?など)
- ソーテルヌエリアの地図はよく出題されます。
- 貴腐ワインについての知識も身につけておきましょう。
主なブドウ品種
No | 白ブドウ | 黒ブドウ |
---|---|---|
1 | セミヨン | カベルネ・ソーヴィニョン |
2 | ソーヴィニヨンブラン | カベルネフラン |
3 | ミュスカデル | メルロ |
4 | マルベック |
ボルドーでは、単一品種でのワインは少なく、数種類をアッサンブラージュします。
メッドクエリアではカベルネ・ソーヴィニョン主体、サンテミリオンではメルローやカベルネフランが主体となっています。
2019年AOCボルドー、ボルドー・シュペリュールは温暖化対策として以下の品種を補助品種として認定。
白ブドウ➡アルヴァリーニョ、プティマンサン、リロリーラ
黒ブドウ➡トウリガナショナル、アリナルノア、マルスラン、カステ
地理・気候条件
地理(地図)
上段の地図の通り、大きく6地区に分けられます。
- メドック
- グラーブ
- ソーテルヌ
- サンテミリオン
- フロンサデ(2020年より。フロンサック周辺)
- コート
- アントゥルドメール
各エリアの主要AOCを地図上に記載しました。
どのエリアにどのAOCが位置されているか把握してください。
ボルドーでは、右岸・左岸という言葉出てきます。
上流から下流に向かって、右と左を判断します。
代表的なボルドー左岸はメドックエリア、右岸はサンテミリオン・ポムロールを指します。
ガロンヌ川、ドルドーニュ川を混同してしまうことがあります。(個人的に)
注意が必要です。
気候その他条件
- 北緯45度、北に位置するがガルフ湾流の影響で暖かい海洋性気候
- 土壌は、ドルドーニュ川右岸は粘土質、ガロンヌ、ジロンド川左岸は水はけのよい砂利質(ちなみにグラーブは砂利という意味があります。)
主要AOC
各地区ごとの主要AOCをピックアップしました。特徴、赤白甘のタイプなどを押さえておきましょう!
メドック地区
【メドック】
白ぶどう:ー
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン、メルロ、カベルネフラン、カルメネール
タイプ :赤
【オー・メドック】
白ぶどう:ー
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン、メルロ、カベルネフラン、カルメネール
タイプ :赤
【サンテステフ】
白ぶどう:ー
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン、メルロ、カベルネフラン、カルメネール
タイプ :赤
特 徴 :もっとも下流に位置し、粘土質と石灰質の土壌から、豊かでストラクチャのしっかりしたワインとなる。
【ポイヤック】
白ぶどう:ー
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン、メルロ、カベルネフラン、カルメネール
タイプ :赤
特 徴 :小粒の砂利の小山にいただきに畑が広がっている。タンニンがしっかりしていて濃密で長期熟成力を持ったワインである。
【サンジュリアン】
白ぶどう:ー
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン、メルロ、カベルネフラン、カルメネール
タイプ :赤
特 徴 :大きな石が混じった粘土質や石灰質層を砂利層が覆っている。滑らかなタンニンが特徴的、また長期熟成能力あるワインである。
【マルゴー】
白ぶどう:ー
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン、メルロ、カベルネフラン、カルメネール
タイプ :赤
特 徴 :最上流に位置し、最大のコミューンである。石灰質や粘土層の上に、泥土が広がり、繊細でふくよかなエレガントなワインが作られる。
グラーブ地区
【グラーブ】
白ぶどう:ソーヴィニヨンブラン、セミヨン、ミュスカデル
黒ぶどう:メルロ、カベルネソーヴィニヨン
タイプ :赤・白
特 徴 :メルロ主体で、カベルネソーヴィニヨンをブレンドし、軽めに仕上げられる。
【ペサックレオニャン】
白ぶどう:ソーヴィニヨンブラン、セミヨン、ミュスカデル
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン
タイプ :赤・白
特 徴 :赤白ともしっかりとしたワインで長期熟成能力を有する。
【グラーブ・シュペリュール】
白ぶどう:ソーヴィニヨンブラン、セミヨン、ミュスカデル
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン
タイプ :白(半甘)
特 徴 :貴腐または木上乾燥した過熟したブドウを使用。残糖34g/ℓ以上
ソーテルヌ・バルサック地区
【ソーテルヌ】
白ぶどう:セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデル
黒ぶどう:ー
タイプ :白(甘)
特 徴 :残糖45g/ℓ以上
【バルサック】(ソーテルヌも名乗れる)
白ぶどう:セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデル、ソーヴィニョン・グリ
黒ぶどう:ー
タイプ :白(甘)
特 徴 :残糖45g/ℓ以上
【セロン】
白ぶどう:セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデル、ソーヴィニョン・グリ
黒ぶどう:ー
タイプ :白(甘)
特 徴 :残糖45g/ℓ以上
【サン・クロワ・デュ・モン】
白ぶどう:セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデル、ソーヴィニョン・グリ
黒ぶどう:ー
タイプ :白(甘)
特 徴 :残糖45g/ℓ以上
【ルーピアック】
白ぶどう:セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデル、ソーヴィニョン・グリ
黒ぶどう:ー
タイプ :白(甘)
特 徴 :残糖45g/ℓ以上
【カディヤック】
白ぶどう:セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデル、ソーヴィニョン・グリ
黒ぶどう:ー
タイプ :白(甘)
特 徴 :残糖51g/ℓ以上
アントゥル・ド・メール地区
【アントゥル・ド・メール】
白ぶどう:ソーヴィニヨンブラン、セミヨン、ミュスカデル
黒ぶどう:/
タイプ :白(辛口)
特 徴 :辛口白ワインの一大生産地
【オー・ブノージュ】
白ぶどう:ソーヴィニヨンブラン、セミヨン、ミュスカデル
黒ぶどう:/
タイプ :白
特 徴 :辛口はAOCアントゥル・ド・メール・オー・ブノージュ、甘口はAOCボルドー・オー・ブノージュとなる。
コート地区
ガロンヌ、ジロンド川の右岸に位置するエリアを指す。
【コート・ド・ボルドー】
白ぶどう:-
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン、メルロ、カベルネフラン
タイプ :赤
【ブライ】
白ぶどう:-
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン、メルロ、カベルネフラン
タイプ :赤
【カディヤック・コート・ド・ボルドー】
白ぶどう:-
黒ぶどう:カベルネソーヴィニヨン、メルロ、カベルネフラン
タイプ :赤
【プルミエール・コート・ド・ボルドー】
白ぶどう:セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデル、ソーヴィニョン・グリ
黒ぶどう:-
タイプ :白(甘)
【コート・ド・ボルドー・サンマケール】
白ぶどう:セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデル、ソーヴィニョン・グリ
黒ぶどう:-
タイプ :白(甘)
サンテミリオン地区
【ポムロール】
AOCはポムロール、ラランド・ド・ポムロール
白ぶどう:-
黒ぶどう:メルロ、カベルネフラン
タイプ :赤
特 徴 :「クラスドフェール」という鉄分を含んだ独特の土壌の影響で、個性的なワインが生産される。
【サンテミリオン】
白ぶどう:-
黒ぶどう:メルロ、カベルネフラン
タイプ :赤
【サンテミリオン・グランクリュ】
白ぶどう:-
黒ぶどう:メルロ、カベルネフラン
タイプ :赤
特 徴 :分析、官能検査を2回受ける(2回目は12か月後)
【サンテミリオン衛星地区】
AOCはサンジョルジュ、モンターニュ、リュサック、ピュイスガン_サンテミリオン
白ぶどう:-
黒ぶどう:メルロ、カベルネフラン
タイプ :赤
【ポムロール】
白ぶどう:-
黒ぶどう:メルロ、カベルネフラン
タイプ :赤
特 徴 :力強く、なめらかなワインを産出。
フロンサデ(2020年より。フロンサック周辺)
【フロンサック、カノンフロンサック】
白ぶどう:-
黒ぶどう:カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、補助品種:マルベック、プティヴェルルド
タイプ :赤
特 徴 :-
貴腐ワイン
ボルドーの特殊ワインといえば、ソーテルヌの貴腐ワインです。
筆頭は特級のデュケムです。
貴腐ワインの作り方は押さえておきたいところです。
- ぶどう果皮に貴腐菌(ボトリネス・シネレア)が付着します。
- その貴腐菌が果皮に穴をあけます。
- その穴からぶどう果汁の水分が蒸発していきます。
- その結果、非常に糖度の高い果肉部が残ります。
- そのブドウを使用し、ワインを作ります。
ソーテルヌの地図問題が良く出るので、位置関係をしっかり覚えておきましょう。
【ソーテルヌ、バルサック】
白ぶどう:セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ソーヴィニヨングリ、ミュスカデル
黒ぶどう:-
タイプ :白(甘)
特 徴 :長熟可能な世界最高峰の貴腐ワイン。バルサック村は、どちらも名乗れる
【セロンス】
白ぶどう:セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ソーヴィニヨングリ、ミュスカデル
黒ぶどう:-
タイプ :白(甘)
特 徴 :バルサック村の北に位置する。残糖45g/ℓ以上必要
※格付けは、別記事でまとめています。
最後に
ボルドーの格付け以外の問題は、タイプが赤、白両方のAOCは?など問われます。
マイナーな産地を覚えるのは大変ですが、大半が赤ワイン、エリア限定で白(甘)なので、AOCとして白が認められているものは数が少ないので、そのあたりをチェックしておけばよいかと思います。
次回、シャトーの格付けをまとめた記事となります。
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