2020年度版の反映とエクセレント対策として原語表記を追加しました。
学習のポイント
- ワイン法
- 産地名と位置・特徴の把握
- 原語表記
ブルガリアの概要
特徴
ヨーロッパ南東部、バルカン半島に位置する。ヨーグルトやバラで有名だが、世界最古のワイン城像、輸出国のひとつである。
1947年に国営公団VINPROMが栽培から、醸造、輸出まで管理するようになった。
一時低迷する時期もあったが2007年EU加盟後、ワイン産業は転機を迎え投資も進み、近代的な設備の導入も進んでいる。
歴史
- 世界最古のワイン生産国の一つである
- 1947年、VINPROM(ブルガリ酒類取扱公団)設立
- 1960年後半から1970年カリフォルニア大学のアメリン教授により醸造設備は技術が改善される
地理的条件
地図
気候
- 地中海性気候と大陸性気候の間に位置する
- イタリア、フランスと同緯度の地域に比べて冷涼な気候である
土壌
淡褐色土壌、栗色土壌が代表的な土壌である。
主要ブドウ品種
No | 白ブドウ | 黒ブドウ |
---|---|---|
1 | ルカツィテリ | メルロ |
2 | ミュスカ・オトネル | カベルネソーヴィニヨン |
3 | レッドミスケット | パミッド |
4 | シャルドネ | メルニック |
5 | ディミャット | ガムザ |
国際品種以外に古代から伝わるブルガリの品種が下表のとおりあります。
No | 白ブドウ | 黒ブドウ |
---|---|---|
1 | ディミャト | パミッド |
2 | レッドミュスケット | ガムザ |
3 | マヴルッド | |
4 | メルニク |
土着品種・白ブドウ
Dimiat
ブルガリア全土、特にヴァルナ、シュメン、サザン・ブラックシー周辺で栽培。晩熟で万部は9月末、黒海周辺は10月前半の収穫となる。ワインは明るい緑がかった麦わら色で、桃のような爽やかなで繊細な羅間をもつ、フルーティーでフレッシュなワインとなる。
Misket Cherveb=Red Misket
ローズヴァレー、ブロヴティフ、ヴァルナなどで栽培。
9月末から10月始めに収穫する。高品質な辛口白ワインが生産される。魅力的な麦わら色でリンゴ、はちみつ、ハーブのアロマを持つ。酸度が低いため、通常は他の白品種とブレンドされる。
土着品種・黒ブドウ
Pamid
南部、北部で幅広く栽培されている。寒さや渇水美濃比較的強く、土壌もあまり選ばない。大量消費用のシンプルで軽い赤のテーブルワインが作られる。
色は明るいローズ色で、酸度、凝縮度が低いので、早飲みタイプのワインとなる。
Gamza
東欧では、カダルカと呼ばれる。9月末、10月始めに収穫。ワインはルビーレッドでラズベリーのアロマがあり、後味に貸すかに樹脂のような味わいが残る。比較的酸度が高く、タンニンは少ない。2、3年熟成させるとさらによくなる。
Mavrud
プロヴディフ、アセノフグラッド周辺で栽培される。質の高い黒ブドウである。ワインはガーネットがかったダークレッド。赤や黒の果実のアロマと黒胡椒やシナモン、チョコレートの香りを持つ。熟成向きのフルボディ。
Melnik
正式には、シロカ・メルニシュカ・ロザ。南部の気候の影響で非常に質の高いブドウができる。ワインは若いうちは、チェリーや黒い果実のアロマを持ち、熟成により黒胡椒、タバコ、皮革のブーケも感じられる長期熟成が他のワインとなる。
土着品種・交配品種
Rubin
シラーとネッビオーロの交配によって作られたブドウ品種。花や赤い果実のアロマを持ち、しっかりとした骨格を持つボディのワインとなる。
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロとブレンドすることでさらに長塾型のワインになる。
地元料理
料理名 | 説 明 |
スネジャンカ | 水切りしたヨーグルトにみじん切りした キューリやディルなどを混ぜたサラダ |
ショブスカ・サラダ | トマト、キュウリなどにしれねというホワイトチーズを すりおろしてかけたもの。 この3色がブルガリア国旗を表している。 |
タラトル | グルトの冷製スープ。 |
ホップ・チョルパ | トマトで煮込んだ白いいんげんのスープ |
キュフテ | 牛肉と豚肉をあいびきしたブルガリ風ハンバーグ |
サルミ | ブルガリア風ロールキャベツ。 |
シシチェ | ヨーグルトや赤ワインに漬け込んだ鶏肉、 その他野菜を串焼きにする。 |
ナデニツァ | ソーセージ。シカ、イノシシの肉は人気。 |
ムサカ | ジャガイモとひき肉のオーブン焼き |
バニッツァ | 極薄のパイ生地で包み焼いたもの |
カヴァルマ | 豚肉、玉ねぎ、トマトの煮込み |
ギュヴェッチ | 豚肉とジャガイモ、その他多くの野菜と オーブン焼きしたシチュー。 |
食前酒 | rakiya(ラキア)。バルカン半島でポピュラーな蒸留酒。 様々果物から造られる。 |
ブルガリアのワイン法
2007年よりEUのワイン法に基づく原産地呼称保護ワインPDOと地理的表示保護ワインPGIが採用され、さらに2013年に改正されています。
PDO:Protected Designation of Origin
PGI:Protected Geographical Indication
ReserveはPDOまたはPGIで単一品種のみとし、1年以上の熟成をしたものをいいます。
主要ワイン産地
Danube Plain(PGI)
【特徴】
ドナウ川南岸とドナウ平原の中央から西のエリア。ブドウの栽培面積は全体の3割にも及ぶ。
カベルネ・ソーヴィニョンなどの国際品種のほか、土着品種のガムザも多く栽培されている。
19世紀に協同組合ができ近代的なワイン作りが始まった。
【気候】
大陸性気候
【土壌】
火山性土壌
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> : シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、アリゴテ、リースリング
<黒ブドウ> : カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、ガムザ、パミッド
Black Sea(PDO)
【特徴】
リゾート地として有名なエリア。暖かく乾燥した穏やかな気候が長く続くため、ブドウの糖度がゆっくりと上がる。
土着品種のディミャット、マスカット・オットネル、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランなど白品種に定評がある。
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> : ディミャット、マスカット・オットネル、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン
<黒ブドウ> :
Thracian Valley(PGI)
【特徴】
東部から中央部東は農産地帯。大陸性気候。カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネフラン、プティヴェルドなど。ポモリエ、ブルガスが有名である。
中央部西のアセノフグラッドを中心としたエリアは、土着品種マヴルッドの故郷としても知られる。赤ワインの評価はよい。メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネフラン、パミッド、ルビンなど。
南部は地中海性気候。気候のおかげでカビなどの病害の心配はなく、オーガン行く栽培が可能となっている。ハスコヴォ、ムタンボロヴォのメルロ、スタラ・ザゴラのカベルネ・ソーヴィニョンは定評がある。
【気候】
東部:大陸性気候
南部:地中海性気候
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> :
<黒ブドウ> : メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネフラン、パミッド、ルビン
Struma River Valley(PDO)
【特徴】
トラキアヴァレーPGI内の広域PDO。ブルガリアで人気のある品種はメルニックである。
【気候】
大陸性気候。エーゲ海の影響大
【土壌】
火山性土壌
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ> :
<黒ブドウ> : カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ
(以上)
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)
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