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エクセレンス 【英国】

エクセレンス
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英国のエクセレント対策として、本記事では、地図は原語表記、各AOPの詳細説明を追加しました。

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英国の概要

特徴

  • 温暖化によりブドウの成熟度が上がり、ワイン用のブドウの栽培が容易になった。
  • 南部のスパークリングワインの評価が高い

イングランド南部は暖流の影響により温められることにより、多くのワイン生産者が存在している。

20世紀はハイブリッド品種、ドイツ品種などが多くライトでフルーティーなワインが多かった。

20世紀後半から温暖化により、ブドウが熟す環境となり、シャルドネ、ピノノワール、ピノムニエで造るスパークリングワインが高評価を得ていった。

スパークリングワインが66%、スティルワインが34%の割合である。
英国のスタイルは伝統にとらわれず、各種試みが行われている。

歴史

  • 紀元前1世紀、ベルガエ人がワインを持ち込む
  • 12世紀ヘンリー2世がフランス西部と英国を支配。ボルドーからワインが大量に供給される
  • 13~17世の小氷河期のため、ワイン産業が衰退
  • 1703年ポルトガルとメシュエン条約を結ぶ。ポートワインやマデイラの輸入量増加。
  • 19世紀半ば、フィロキセラ被害、うどん粉病の被害広がる
  • 戦時中ワイン生産は途絶えたが、戦後再開され現在に至る

地理的条件

地図

気候

  • 緯度的には高いところにあるが、メキシコ湾流のおかげで比較的温和な海洋性気候である
  • 温暖化の影響で年間平均気温10度を超える箇所が南部の大半を占めるようになった
  • ブドウの成長と霜の時期が重なり、霜害を多く受けるようになった

土壌

南部はシャンパーニュと同様の白亜土壌の地菅露出しているところがある。英国のスパークリングワインの品質を支えている。

花崗岩、砂利、石灰岩、粘土、砂など

主要ブドウ品種

英国の主要ブドウ品種
No 白ブドウ 黒ブドウ
1 シャルドネ ピノノワール
2 バッカス ピノムニエ
3 セイヴェルブラン ロンド

ハイブリッド品種のセイベルブラン、ロンドが多く使われる。

ワイン法

ワイン法の文書作成は英国政府の環境・食料・農村地域省D.E.F.R.A(Department for Environment, Food and Rural Affairs)が担当。

ワイン関連団体は
英国ブドウ栽培協会U.K.V.A(United Kingdom Vineyards Association)
イングランドワイン生産者団体(England Wine Producers’Group)
ワイン&スピリット産業協会W.S.T.A.(Wine and Spirit Trade Association)

農漁食糧省M.A.F.F.(Ministry of Agriculture, Fisheries and Food)が高品質ワインスキーム(Quality Wine Scheme)、地域ワインスキーム(Regional Wine Scheme)というプログラムを導入。ハイブリッド品種が除外されたこともあり、幅広い支持は得られず。

2011年に「イングランド」「ウェールズ」の地域表示を保護するワイン法が導入された。EU法の要件を満たす必要アリ。

2015年にPDO「Darnibole」が登録された。2017年に「Sussex」も登録される。

2つの団体とが統合され、WineGB(Wines of Great Britain)が設立。

Wine

欧州連合ワイン(英国以外のEU加盟国産ブドウを使用):European Union Wine

〇〇産ブドウ使用の英国産ワイン:Wine made in UK from grapes harvested in ○○

欧州連合の異なる国々のワインのブレンド:Blend of wines from different countries of the European Union

英国産ブドウのみ:Wine of United Kingdom

PGI(Protected Geographical Indication)

イングランドまたはウェールズで収穫したブドウを85%以上

表示は
「English Regional Wine」
「Welsh Regional Wine」

・最大収量:100hℓ/ha
・アルコール度数:8.5~15%

<スパークリングワイン規定>
・最大収量:100hℓ/ha
・最低9か月滓とともに瓶内熟成
・最低ガス圧:3.5バール
・アルコール度数:10%
・使用品種リストによブドウを使用

PDO(Protected Designation of Origin)

 

分類 説明
English Wine ・イングランドで収穫されたブドウのみ使用
・最大収量:80hℓ/ha
・アルコール度数:8.5~15%
・最低酸度4g/ℓ(酒石酸換算)
・シャルドネ、ピノノワール、ピノノワールプレコース、
ピノムニエ、ピノグリ、ピノブランを使用
Welsh Wine ・ウェールズで収穫されたブドウのみ使用
・最大収量:80hℓ/ha
・アルコール度数:8.5~15%
・最低酸度4g/ℓ(酒石酸換算)
・スパークリングワインは瓶内二次発酵
/最大収量:80hℓ/ha/最低9か月滓とともに瓶内熟成
/最低ガス圧:3.5バール/アルコール度数:10%
・シャルドネ、ピノノワール、ピノノワールプレコース、
ピノムニエ、ピノグリ、ピノブランを使用
Sussex Wine ・サセックス地方で収穫されたブドウのみ使用
・最大収量:12ton/ha
・アルコール度数:10~15%
・スパークリングワインは瓶内二次発酵
/最大収量:80hℓ/ha/最低12か月滓とともに瓶内熟成
/最低ガス圧:3.5バール/アルコール度数:11%
/表示ヴィンテージの85%以上使用
・シャルドネ、ピノノワール、ピノノワールプレコース、
ピノムニエ、ピノグリ、ピノブランを使用
Darnibole Wine

・別名「Darnibole Bacchus Wine」
・コーンウォール州のキャメル・ヴァレー・ヴィンヤード
の所有する畑Darnibole


・辛口白ワイン
・使用品種:バッカスのみ
・最大収量:8ton/ha
・アルコール度数:10~13%
・最低酸度:6~8.5g/ℓ(酒石酸換算)
・残糖分:7g/ℓ未満
・バッカス

 

British Wine

輸入原料や濃縮ブドウ果汁などを原料として作られたワイン。品質、価格ともに低い。英国産ブドウのみで造られたワインと混同しないように注意が必要。

輸入ブドウや濃縮ブドウ果汁を原料にした英国産ワインのことを指す。価格品質共に低い。

 

(以上)


 

※参考文献
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)

 
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