トスカーナはピエモンテ同様、イタリアにとって最重要産地の一つです。
出題される可能性が高いエリアだと考えられるので、教本に記載されている内容をできるかがり、覚えておく必要があるでしょう。
この記事では「トスカーナ」の特徴、DOCG、DOCその他ポイントが分かるようになり、また原語表記しています。併せて教本を読み返すことで理解、記憶が深まります。
イタリア中部各州のワイン
Toscana
DOCGの位置がどこなのか、覚えておきたいところです。
例えば、
DOCG名 | タイプ | ぶどう品種・特徴他 |
---|---|---|
Brunello di Montalcino | 【赤】 | サンジョヴェーゼ(ブルネッロ)、 長熟タイプの最高峰熟成は62か月以上、 リゼルヴァは74か月以上 |
Carmignano | 【赤】 | サンジョヴェーゼSV(50%以上) カナイオーロネロ、CS、リゼルヴァあり |
Chianti | 【赤】 | サンジョヴェーゼ(70-100%)、 カナイオーロネロ(10%以下)、 トレッビアーノとマルヴァージア(10%以下) リゼルヴァ/スペリオーレあり、 7つのソットゾーナ |
Chianti Classico | 【赤】 | サンジョヴェーゼSV(80%以上)、 9つのコムーネで生産 |
Morellino di Scansano | 【赤】 | サンジョヴェーゼ、モレッリーノ85%以上 リゼルヴァあり |
Vernaccia di San Gimignano | 【白】 | ヴェルナッチャ、リゼルヴァあり |
Vino Nobile di Montepulciano | 【赤】 | サンジョヴェーゼ(70%以上) 熟成は26か月以上 リゼルヴァは38か月以上 |
Elba Aleatico Passito | 【赤(甘)】 | アレアティコ、陰干しぶどうより |
Montecucco Sangiovese | 【赤】 | サンジョヴェーゼ、リゼルヴァあり |
Suvereto | 【赤】 | CS、メルロ、SV |
Val di Cornia Rosso | 【赤】 | サンジョヴェーゼ主体,CS。 |
【特徴】
様々な作物を一つの農園で栽培する伝統がある。ブドウやオリーブが一緒に栽培されたりしている。
ワインの生産は中規模であるが、高品質で有名なワインが多数ある。近代的なスタイルのワインは「スーパータスカン」と言われ、知名度を上げた。
ボルドー種で作られる高級ワインのサッシカイアの産地でもある。
【歴史】
紀元前9世紀にエトルリア人が登場してから、文明が開化していく。
ブドウ栽培、ワイン造りもエトルリア人により伝えられた。中世はメディチ家が18世紀前半まで支配していた。
1716年コジモ三世が世界初の原産地保護の規則を作った。
19世紀イタリア統一運動のリーダーであったベッティーノ・リカーゾ男爵は今日のキアンティワインのベースとなる品種構成Formulae(サンジョヴェーゼ70%、カナイオーロ20%、マルヴァジア・デル・キアンティ10%)を1870年に定めた。
【文化・経済】
各国の文化が交わる地域で常に文化的に栄えてきた州である。ピエモンテの人たちは派手なことが嫌いで、控えめ、まじめな働き者が多い。
料理やワインはフランスの影響を受け、特に優れている。スローフード運動はここで起こった。外国人向け料理学校ICIFでは多くの日本人も学んでいる。
トリノにはフィアットなどがあり、企業城下町である。その他チョコレートなどの食品産業、情報産業、金融関係も重要な産業である。
2014年にはピエモンテのブドウ畑が世界遺産に登録された。
農業も地理的好条件により、盛んである。
【気候】
地中海性気候、大陸性気候
【土壌】
内陸部 :粘土質石灰質土壌
CC.Montal :ガレストロ、泥灰土が表層にある
海岸部 :粘土石灰質土壌、川沿い:沖積土壌
ピティリアーノ:火山性土壌
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ>
Vernaccia
→しっかりとした酸を持つ。
Malvasia Bianca
→キャンティ地方で栽培。ヴィン・サントにも使用される。
Trebbiano
→フレッシュで早飲みに適している。
<黒ブドウ>
Sangiovese
→色は濃く無いルビー色。スミレ、チェリーの香り。酸とタンニンがしっかりしている。
Canaiolo Nero
→サンジョヴェーゼとブレンドされる。晩熟の品種でワインに柔らかさを与える。
【地元料理】
分類 | 料 理 |
前菜 | Crostini(鶏のレバー、孔子の脾臓などで 作ったパテをのせたパン) Panzanella(パン、フレッシュトマト、 玉ねぎ、バジリコをいらたサラダ) |
プリーモピアット | Pappardelle con is Sugo di Lepre (幅広手打ちパスタに野兎のソースをかけたもの) Ribollita(野菜のスープ) Pappa al Pomodoro(トマトソースにパンを入れ、 煮込んだシンプルな料理) |
魚介料理 | Cacciucco(トウガラシ、ニンニク、 トマトを使った魚のスープ) |
肉料理 | Bistecca alla Fiorentina(厚切りTボーンステーキ) Arista(豚背肉の塊をローズマリー、ニンニクを 効かせてローストしたもの) |
食材 | Chanina(キアーナの谷で飼育される牛) |
チーズ | Pecorino Toscano(DOPチーズ、 羊乳、非加熱圧搾) |
内陸部
【気候】
比較的冷涼な気候
【土壌】
粘土石灰質土壌
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ>Trevviano,Malvasia
<黒ブドウ>Sangiovese,Cnaiolo
【主要DOCG】
【Brunello di Montalcino】
サンジョヴェーゼ100%の力強いワイン。19世紀末にビオンディ・サンティが作り始めた長期熟成赤ワインが徐々に成功し、現在ではイタリアを代表するワインとなった。50ヶ月以上(うち木樽は2年以上)の熟成が必要。
【Carmignano】
1716年のコジモ三世原産地呼称を線引したワイン。昔からカベルネ・ソーヴィニヨンがブレンドされる。キャンティに比べるとより柔らかい味わいで、ビロードのような口当たり、深みのある果実味が特徴である。
【Chianti】
イタリアで最も有名な呼称。チェリー、すみれの香りを持ち、果実味、酸、タンニンのバランスが良い。また幅広い料理に相性が良い。
※Zottozonaの地図は作成中
【Chianti Classico】
キャンティの本来の生産地、キャンティ地方の独自のDOCG。
Riserva(リゼルバ)より上位に位置する新しいカテゴリーとして、Gran Selezione(グラン セレツィオーネ)を新設すると発表された。
Gran Selezioneは、リゼルバのワインの中で、更に優秀なクオリティーを持つワインに与えられるとしている。
※キャンティ・クラシコの産地の地図は作成中
【Morellino di Scansano】
【Vernaccia di San Gimignano】
トスカーナ唯一の白ワインのDOCG。この町は「百の塔の町」で有名。最良のヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノは蜂蜜、ビート香、酸がしっかりあり複雑な味わいを持つ。
【Vino Nobile di Montepulciano】
キャンティとブルネッロ・ディ・モンタルチーノと間に位置する特徴。「優美で高貴なワイン」とされている。
【主要DOC】
【Pomino】
1716年コジモ三世の原産地呼称の対象となったワイン。スマートでフレッシュな果実味。
【Vin Santo del Chianti】
陰干しで小樽発酵し、長期熟成させる。瞑想ワインと呼ばれる複雑なワイン
【Vin Santo del Chianti Classico】
キャンティ・クラッシコ地区のヴィンサント。甘口から辛口まで幅広いタイプがある。
【Bolgheri/Bolgheri Sassicaia】
ティレニア海沿岸。カベルネ・ソーヴィニヨン中心のサッシカイヤが世界的に大成功を収める。サッシカイヤは単一ワイナリーに与えられたゆいつの呼称である。
海岸部
【気候】
地理的に温暖な気候
【土壌】
石灰質土壌、アルノ川沿いは沖積土壌
【主要ブドウ品種】
<白ブドウ>Trebbiano
<黒ブドウ>Sangiovese,Cabernet Sauvignon
【主要DOC】
【Bolgheri/Bolgheri Sassicaia】
ティレニア海沿岸。カベルネ・ソーヴィニヨン中心のサッシカイヤが世界的に大成功を収める。サッシカイヤは単一ワイナリーに与えられたゆいつの呼称である。
(以上)
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)
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