シャンパーニュはスパークリングワインの代名詞的な生産地です。
醸造方法やグランクリュの村名を覚えなければなりませんが、何かと飲みの席でも使える知識を多く修得することができます。
出題頻度の高い産地です。ポイントをしっかり覚えていきましょう!
学習のポイント
- 各地区の主要ブドウ品種を覚える
- 17のグランクリュを覚える(村名も)
- スパークリングワインの醸造工程を覚える(説明にある数値もしっかり覚ええましょう)
- 用語を覚える
主なブドウ品種
No | 白ブドウ | 黒ブドウ |
---|---|---|
1 | シャルドネ | ピノノワール |
2 | アルバンヌ | ピノムニエ |
3 | プティ・メリエ | |
4 | ピノ・ブラン | |
5 | ピノ・グリ |
※シャンパーニュで認められている品種は上記の7品種です。
No | エリア | ブドウ |
---|---|---|
1 | モンターニュ・ド・ランス | ピノノワール、ピノムニエ |
2 | ヴァレ・ド・ラマルヌ | ピノノワール、ピノムニエ |
3 | コート・デ・ブラン | シャルドネ |
地理・気候条件
地理(地図)
メインは「モンターニュ・ド・ランス」「ヴァレ・ド・マルヌ」「コート・デ・ブラン」です。
- パリから北東に約150km
- 白亜質(石灰質)土壌
- マルヌ県の「モンターニュ・ド・ランス」「ヴァレ・ド・ラマルヌ」「コート・デ・ブラン」が主要産地
気候その他条件
- 大陸性気候に大西洋の海流の影響(海洋性気候)を受け、夏と冬の温暖差は和らげられている
- 降雨量は平均700mmとブドウ栽培に適している
- コート・デ・ブラン土壌は石灰質(白亜質)
シャンパーニュの醸造方法
醸造工程 | 説 明 |
原料 | シャルドネ、ピノノワール、ピノムニエ |
圧搾 | 4000kg→2050ℓ+500ℓ(二番搾り)=2550ℓ の搾汁を得るよく出る |
第一次発酵 | |
調合・ブレンド (アサンブラージュ) |
一次発酵を終えたワインと前年までに生産し、 保存されたリザーブワインをブレンド(翌年2月)。 特別に作柄の良い年は、その年のワインだけで |
瓶詰め(ティラージュ) | 酵母と蔗糖(1ℓあたり24kg)を混ぜたものを加え、 瓶詰する |
瓶内二次発酵 (ドゥジェム・フェルマンタシオン・アン・ブティユ) |
瓶内で糖分による発酵が行われ、アルコールと 炭酸ガスに変化する |
熟成 (マチュラシオン・シュール・リー) |
法的熟成期間よく出る ミレジメ :ティラージュ後、最低3年間(36ヶ月) ノンミレジメ:ティラージュ後、最低15か月 |
動瓶(ルミアージュ) | ピュピトルという澱下げ台で毎日1/8ずつ回しながら、 徐々に立てていく。現在はジャイロパレットという 機械で自動で行っている。 |
澱抜き(デゴルジュマン) | 冷却した塩化カルシウム水溶液に瓶口をつけ、 凍らせ仮栓とともに澱を抜く |
補酒(ドサージュ) | 蔗糖とシャンパーニュの原酒の混合液(リキュール)を 加える。 このリキュールの糖度で味のタイプが決まる。 |
打栓(ブシャージュ) | |
ラベル貼り(アビラージュ) | ラベルにはシャンパーニュ委員会交付の 業者別登録番号が記載されている。 |
グランクリュ
重要
一般呼称では、位置まで問われることは少ないかと思いますが、GC名及び村名はしっかりと覚えましょう!
地区 | グランクリュ・村名 |
---|---|
モンターニュ・ド・ランス | ヴォーモン・シュール・ヴェール |
ヴェルズネイ | |
マイィ | |
シルリィ | |
ヴェルジィ | |
ピュイジー | |
アンボネイ | |
ルーヴォア | |
ブージー | |
ヴァレ・ド・マルヌ | トゥール・シュール・マルヌ |
アイ | |
コート・デ・ブラン | クラマン |
アヴィズ | |
シュイィ | |
オジェ | |
メニル・シュール・オジェ(最南端) | |
オイリィ |
主要AOP
【シャンパーニュ】
タイプ : 発泡性ワイン
特 徴 : モンターニュドランス、ヴァレドラマルヌ、コートデブランの3地区からなる。この3地区に17のグランクリュがあり、地区それぞれに特徴あるシャンパーニュが生産されれている。
《モンターニュ・ド・ランス》
➡ ピノノワール主体でグランクリュのいくつかは北側の斜面で栽培され、酸味のしっかりしたシャンパーニュ
《ヴァレ・ド・ラ・マルヌ》
➡ ピノムニエを主体とした丸みのあるシャンパーニュを生産
《コート・デ・ブラン》
➡ シャルドネからシャンパーニュが生産される
【コトーシャンプノア】
タイプ : 赤・ロゼ・白
特 徴 : シャンパーニュ地方で認められているスティルワイン
【ロゼデリセイ】
タイプ : ロゼ
特 徴 : ピノノワールのみで作るロゼのスティルワイン
用語
用 語 | 説 明 |
Non Vintage/Non Millesime ノンヴィンテージ/ノンミレジメ |
異なる品種、ヴィンテージ、畑のワインをブレンドして 作られる基本的なシャンパーニュ |
Vintage Champagne/Milesime ヴィンテージシャンパーニュ /ミレジメ |
良年のみ造られ、ティラージュ後3年以上経過してから 販売される。 生産量の20%はリザーブワインとして残さなければ ならない。 |
Blanc de Blancs |
シャルドネのみで造られるシャンパーニュ |
Blanc de Noirs /ブラン・ド・ノワール |
ピノノワールとピノムニエのみで造られる |
Rose Champagne /ロゼシャンパーニュ |
ブレンド時に赤ワインを加えるか、黒ブドウから 作る2種類がある |
【生産・販売形態】よく出る | 説 明 |
NM (Negociant-Manipulant) ネゴシアン・マニュプラン |
シャンパーニュメーカーで自社畑のほかにブドウの 買い付けをしている |
CM Cooperative-Manipulant コーペラティブ・マニュプラン |
生産者協同組合での製造販売 |
MA Marque d’Acheteur マルク・ダシュトゥール |
買い手が所有する銘柄 |
RC Recoltant-Cooperateur レコルタン・コーペラトゥール |
栽培農家は協同組合にブドウを売り、共同製造した 一部を買って自分の銘柄で販売 |
SR Societe de Recoltant ソシエテ・ド・レコルタン |
栽培者の同属会社で製造販売 |
ND Negociant-Distributeur ネゴシンアン・ディストリビューター |
ネゴシアンのPB銘柄。瓶詰めされた完成品を 購入して、自社ラベルで販売 |
最後に
シャンパーニュのパートでは、まんべんなく出題されるので、しっかり覚えておきたいところです。
何かと飲む機会の多いシャンパーニュは、エチケットの記載内容を見たり、生産地、グランクリュ名を見たり、ブドウ品種の違いによる味の違いを確認してみたりすることで、暗記も効率よく進められるのではないかと思います。
【2019/2020 日本ソムリエ協会教本】(日本ソムリエ協会)
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